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子供向けスマートボール盤を作ってみた

VIVITAの新居です。

今度はVIVISTOP柏の葉(以後柏の葉と略称)にてスマートボール盤をつくってみました。夏のお祭りや温泉街のスマートボールで遊んだ息子(3才)が、また遊びたいといっていたので、その要望に応えてみました。 簡単に作れる(3~4時間ぐらい?)と思ってはじめたのですが、ちょっと時間がかかりました(合計10時間以上)。

この工作物も幼児が使うための安全性の評価をおこなっていません。そのためこの記事を読んだ方が作った場合には各自ご注意下さい。

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設計方針

息子は穴に入ったボールが全部落ち、下から出てくるギミックを一番楽しんでいたので、そこは入れることにしました。

盤面はなるべく大きくするため、柏の葉においてあるレーザーカッターで切れる最大寸法である300mm x 500mmとしました。

転がす玉については、柏の葉においてあるリサイクル素材の中から直径21mmのビー玉を見つけましたので、それを使うことにしました。

盤面とビー玉のサイズが決まったので、次は盤面の構成を考えました。盤面の右には玉を押し出すレーンを付けます。また、穴の配置については、盤面が狭いことから、穴の数を一般的な4 × 4ではなく3 × 3 にしてみました。

厚み方向については、ボール寸法から壁の高さを30mm程度とし、ボールが下に転がるために2階建てになるようにしました。それに5.5mmの厚さの盤面と背面板まで含め、合計71mmとしました。

これで、大体の設計方針が決まりました。 外壁も含めた寸法は、511mm x 311mm x 71mmとなりました。

材料

柏の葉では厚さ5.5mm及び2.5mmのMDFを標準にしています。このおもちゃは殆どこの材料でつくりました。それ以外に必要な材料はホームセンター (今回は柏の葉のセキチュー) で購入しました。 f:id:hnii1970:20190124213329j:plain

  • 木の棒: 直径10mm、長さ150mm程度
  • 木管: 外形20mm、内径11mm
  • 穴付き木製球体: 直径25mm、穴径10mm
  • 押しバネ: 直径12mm長さ60mm

設計

まずは盤面の設計です。

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盤面に合わせて、穴の位置を決めました。穴のサイズは25mm、穴の間隔は75mmです。ボールの排出口は30mm x 50mmです。 ボール打ち出しレーンを確保するために、別板を差し込めるようなスリットを付けています。

さて、外周の壁の設計です。

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大きめの部品は外壁です。500mm x 71mmのものと311 x 71mmの板です。 ボールが出てくる穴とボール押し出し棒スリットは手に入った部品に合わせ寸法を決める必要があります。右下の小さい部品は高さ27mmのスライド板のガイドレールで下の段に付けます。 また、なにも加工しない300mm x 500mm の底板を準備します。 ここまで全て厚み5.5mmのMDFです。

あとは、薄物で2.5mmのMDFです。

f:id:hnii1970:20190127102518p:plain 盤面の上に付けられる柔らかく曲げられる板を作りました。これは長さ500mmで高さ30mmとしています。このような板もVIVIDESIGNERの「曲げカット」機能で簡単に作ることができます。

f:id:hnii1970:20190127104157p:plain これは盤面の裏に配置するスライド板です。穴の位置は盤面と同じですが、板の大きさを1mm小さくしてスライドしやすくしています。

あとはココには示しませんが、下の段のボールを中央に集める板や取っ手などを設計しました。

組み立て

まずは盤面とスライド板を組み立てます。下の図の左から、手前以外の外壁と底板、ガイドレールを接着します。次に底板から高さ30mmの所に隙間を空けて盤面を外壁に接着します。高さ30mmの部材を下に仮置きしてから接着すると楽だと思います。これで、盤面の裏に3mmの空間ができます。その隙間に下の図の右のように、前から取っ手を付けたスライド板を差し込む感じになります。

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そこにボール押し出し部分を接着します。直径20mmの木管を木工用ボンドで盤面に直接接着しています。線状にしか接着面積がとれませんが、それでもしっかり付けることができました。

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次にボールが出てくる下の板と円弧の壁を接着しました。 f:id:hnii1970:20181029191306j:plain

実は、これで機構部分は完成しました。ここまでは本当に2~3時間で完成しました。これもCADのおかげです。

これで、ちょっと釘を打ってみたのですが、全然楽しそうに見えません。色がないのが原因ではと考えました。そこで急遽、塗装を行ってみました。

アクリル塗料の「エメラルドグリーン」を使ってみました。理由は特にないですが、見た感じ楽しそうな色として選んでみました。その結果、以下のようになりました。

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基本的にはレーザーカッターで焼けたあとを隠し、得点の基本となりそうな、縦と横のラインなどをマスキングテープを使いながら書き込んでみました。この作業で半日ぐらい使いました。

調整

このあと、釘の位置を色々調整しました。 f:id:hnii1970:20190128112125j:plain 例えばこの写真ですが、当初、穴のすぐ上(写真中では右)に釘を置いていました。そうするとボールが2個入りそうなときに引っかかってしまうため、釘をもっと上に配置しボールが横に(写真中では上下方向)抜けるようにしてみました。

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このあたりの作業をしていると、柏の葉のメンバーも集まってきていろいろ手伝ってくれました。曰く、「何回打ったけどこの穴には一度も入らない」、とか「この辺に釘があったら面白そう」とかいろいろフィードバックを得られました。それを元にいろいろ調整すること数日ぐらいでした。

この状態で家に持って帰って息子に遊んで貰ったのですが、カバーが無いため釘に触って(曲がったり、抜けたり)しまうため危ないことこの上なし。すぐに柏の葉に持って帰ってカバーを製作しました。それを取り付けたのがこの写真です。 f:id:hnii1970:20190124212958j:plain 3mm厚の透明アクリルを511mm x 311mmに切り出し丸穴を一つ開けました。これを木ネジで盤面に固定してしまいます。(本当は蝶番で開閉するようにしたかったのですが、、、)

これで完成です。

動作の様子

まずは、ボールの落ちる様子をご覧下さい。

vimeo.com

ユーザーが遊んでいる様子です。

vimeo.com 実際に遊んでもらうと、丸穴からボールが落ちないのに、排出口からはボールが抜けるギリギリの場所を発見されてしまい、何度でも打てるチートが発生してしまいました!

でもこれもユーザーが楽しんでいるようなのでヨシとしました。

まとめ

今回はMDFと呼ばれる木材でチョット小さめのスマートボール盤をつくってみました。 VIVISTOP柏の葉では自分でモノを作る時の便利な機材、いろいろな素材がそろっています。また、ものづくりに対して興味を持ってくれるメンバーも多数います。この環境に興味ある人は他のblogもご覧下さい。