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個性豊かなロボットが集結!「VIVITA ROBOCON 2019」レポート

こんにちは、VIVITAコミュニケーターのさかいです。
2019年9月から10月にかけて開催された「VIVITA ROBOCON 2019」の振り返りを全6回(不定期更新)に渡ってお届けすることになりました。
第一弾は、その集大成となる「VIVITA ROBOCON 2019 FINAL」のレポートとともに、VIVITA ROBOCONとはなにか?をご紹介します。


4回目のVIVITA ROBOCON、初めての地方予選

本大会で4回目となるVIVITA ROBOCONは、VIVITAが開発するクリエイティブツール「VIVIWARE Shell」や「VIVIWARE Cell」を子どもたちが活用するきっかけづくりとして、2017年8月に初めて開催されました。

これまではVIVISTOP柏の葉のみで開催されてきましたが、今年は国内5拠点、海外2拠点でロボット製作活動を展開。9月に各拠点で開催された地方予選には、子どもを中心に多様な挑戦者がエントリー。
そこで選抜された約30名のメンバーが、10月6日 (日)に東京・池尻大橋のMistletoe of Tokyoに集結し、「VIVITA ROBOCON 2019 FINAL」での入賞を目指して熱戦を繰り広げました。

VIVITA ROBOCONとは

VIVITAが開催する「VIVITA ROBOCON」は、子どもたちのアイディアから生まれるオリジナルロボット製作コンテンツです。ロボットの仕組みや構造を自分で考えて製作し、プロジェクトを自分の力で推進していきます。自由度の高いプログラミングによる幅広い作戦展開と創造性が必要になるロボットコンテストです。

参加条件はロボットの制御機構にVIVIWARE Cellを使用することだけ。材料や動力、アイディアに制限はありません。
参加者は、独自のアイディアを図面化し、加工して作った部品を組み立て、動力を組み、制御機構をプログラミングしてオリジナルのロボットを制作します。試行錯誤しながら、じっくりとものづくりに取り組んで課題をクリアし、その成果を競います。

VIVITA ROBOCONを支える技術、VIVIWAREとは

VIVITAが開発する「VIVIWARE Cell」は、プロトタイピングを迅速に行うためのソフトウェアとハードウェアのモジュール型ツールセットです。

ソフトウェアとハードウェアを無線で繋げる通信モジュールをはじめ、スライダーや加速度センサーなどの入力ブランチ、ブザーやLEDなどの出力ブランチまで10種類以上のパーツを開発しています。それらのハードウェアを接続し、動作を制御するためのプログラムをパズル感覚で組めるソフトウェアは、使っているうちに自然とアナログやデジタル、ノードの概念を理解することができるように構成されています。

また、「VIVIWARE Shell」は、レーザーカッターなどを使って加工するための二次元図面データを、指一本で感覚的に作成することができるアプリです。専門的な知識がなくても、子ども達が自由自在にロボットのホイールや車体をデザインすることが可能です。

VIVITA ROBOCONのルール

持ち時間は1人5分。ロボットにはVIVIWAREを用いること、スタートエリアに収まるサイズであることがエントリーの条件です。スタートエリアに収まれば複数台のロボットを稼働してもOK(操縦は1人で行う)。

ステージ内に配置されたボールを時間内に何個、スタートエリアに運ぶことができるかを競います。ボールは難易度により点数が異なり、全てのボールをクリアすると27点獲得することができます。同点の場合は、クリアするまでの所要時間が短いほうが上位となります。



熱く盛り上がったVIVITA ROBOCON 2019 FINAL

冒頭にも書いた通り、今年はVIVITA ROBOCON初の試みとして、柏の葉だけでなく海外のVIVISTOP2拠点、地域の有志団体による4拠点が参加しました。

  • VIVISTOP柏の葉(千葉県)/Orchard(シンガポール)/Tallinn(エストニア)
  • NaDeC BASE(新潟県・長岡)
  • 一般社団法人マナビダイスキ(東京都・世田谷)
  • アルビレオ滝沢共同事業体(岩手県・滝沢)
  • さかわ発明ラボ(高知県・佐川)

の7箇所で、各拠点の地域性・運営母体の特性を活かした活動を展開。
ロボット製作の様子は動画共有プラットフォーム「VIVIVERSE」を活用して情報交換し、地方予選の様子はYouTubeライブで配信され、他拠点とオンラインで交流しながら切磋琢磨しました。

そして迎えたFINAL当日。この日を目指してロボットを製作し、改良と試行錯誤を重ね、操作の練習を繰り返して腕を磨いてきた参加者が、そのすべてをかけて臨む5分間のチャレンジ。会場は緊張と熱気に包まれ、関わった全員にとって忘れがたい1日となりました。

本来ならばFINALに出場したすべてのロボットをご紹介したいところですが、入賞した参加者を中心に紹介します。

  • エストニア賞:100%片思い / おせし@滝沢
    エストニア賞は、おせし@滝沢の「100%片思い」に贈られました。ロボット名は、1981年にリリースされたイモ鉄トリオの「ハイスクールララバイ」から。動画を見て、インスピレーションが湧いたそうです。お父さんお母さん世代には懐かしくて涙が出そうな、BABY I LOVE YOU SO すきすき BABY。リモコン部分にも100%片思いのフレーズが彫刻されています。なお、コンセプトが面白いだけじゃなく、機能性も抜群。正確な操作で優勝に次ぐ高得点を叩き出しました。LOVEは世界共通、国境を越えるということを証明したおせし。ちなみにニックネームは、ゲームのキャラの名前を「おすし」にしようとしたら間違って「おせし」にしてしまったことに由来するそうです。


  • シンガポール賞:Candypop / ももぴー@柏の葉
    シンガポール賞を獲得したのは、ももぴー@柏の葉の「Candypop」でした。ロボットのコンセプトは、大好きなTWICEのナンバー「Candypop」から。ピンクに塗られたボディがかわいらしさを爆発させていますが、機能性や強さを兼ね備えているところは、美しくて強い現代女性の象徴のようです。吸引機構を搭載しており、しかもそれを上下に動かすことが可能。準備の段階ではアームの重みで重心が前に垂れる問題に悩まされましたが、柏の葉クルーの助言を取り入れながら改良を重ねて解決。本体後部に鉛のインゴット500gふたつ、合わせて1kgのウェイトを乗せ、かわいい見た目と裏腹に今大会の最重量級ロボットとなりました。


  • ベストデザイン賞:さびれた軽トラ / ゆうた@柏の葉
    独創性が高く、見栄えの美しさにもこだわっているロボットに贈られるベストデザイン賞には、ゆうた@柏の葉の「さびれた軽トラ」が選ばれました。毎年キャタピラの車体で出場しているゆうたですが、今回は昔実在したキャタピラつきの軽トラをベースに、色々な軽トラの特徴を組み合わせてデザインしたそうです。サイドミラーや雨よけ、取っ手やライトの形状にもこだわり、年季が入った軽トラの古びた感じを出すため車体にはサビのペイントを施し、ざらざらした手触りを再現。バンパーがプラスチックでできていることを想定し、日焼けで白っぽくなった経年変化を表現する徹底ぶり。柏の葉大会では、転倒時に荷台に載せていたスコップが転がり落ち、見えない部分にまで施された強いこだわりに会場が騒然としたのでした。全国大会には、千葉県特産のピーナツを積んで参戦し、会場を沸かせました。


  • ベストテクノロジー賞:鹿の角もかりたい / まひろ@佐川
    最も技術的な困難に挑戦した競技者、または優れた技術を搭載したロボットに贈られるベストテクノロジー賞は、まひろ@佐川の「鹿の角もかりたい」が選ばれました。まひろは「さかわ発明ラボ」常連の一人で、この2ヶ月の準備期間でさまざまなロボット機体の製作にチャレンジしたそうです。今回出場したロボットはなんと6世代目、しかも6本の足で歩行する鹿のロボットでした。車輪やキャタピラといった回転の運動で前進するロボットが大多数を占めるなか、歩行するロボットの登場に会場が驚き、トリッキーな動作に目を奪われました。頭部のパーツデザインも自分で考え、鹿を象徴する角は、普通の鹿とヘラジカの二種類を用意。そのあまりのかわいさにオーディエンスからは大歓声が上がりました。技術賞を狙う!という宣言の通り、見事入賞を果たしました。


  • 特別賞:ロボ / りく@柏の葉
    優勝した ゆうゆう@滝沢と同点となる満点を取りながら、クリアした時間で惜しくも優勝を逃した、りく@柏の葉の「ロボ」。まさかの逆転劇にステージ裏で涙を流す姿もありましたが、VIVITA代表の孫泰蔵からの特別賞が急遽設けられ、即席の賞状とメダルが授与されました。今回はじめてロボットを製作したりく。「ロボ」というシンプルな名前の通り、テンプレロボットに少々のパーツを追加した機体は実にシンプルなものながら、圧倒的な操作技術で次々にボールをゲット。一番の難関、囲いのなかにある赤いボールを掴みゴールした瞬間は、会場に割れんばかりの歓声が響き渡りました。


  • 優勝:VIVIさかな / ゆうゆう@滝沢
    そして、ゆうゆう@滝沢の「VIVIさかな」が、VIVITA ROBOCON 2019 FINALの優勝に輝きました。今大会最大級の大径ホイールと正確な操作がスピードを生み出し、その鮮やかなプレイに会場の目が釘付けになりました。役割が終わったアームをハサミで切り取るという大胆な作戦は、岩手の予選でもオーディエンスの度肝を抜いたそうです。岩手での地方予選では囲いのフタを開けようとして途中で断念しましたが、今回はあっという間に成功し、FINALに向けて練習を積み重ねたことが伺えました。追加パーツを装着し、凹みのボールにチャレンジしますが、なかなか上手くいかず二度のリプレイス。しかし3回目のトライでボールを獲得、持ち時間10秒を残してのパーフェクト達成に、会場が大歓声と興奮に包まれました。

大会を終えて

VIVISTOP柏の葉は常時活動のなかでロボットを作れる環境がありますが、各地方の参加者は夏の間、限られた時間のなかでロボット製作に取り組んできました。にもかかわらず、ユニークな創造性と機能性を併せ持った優れたロボットが数多く生み出され、運営側の予想を越えるレベルでの熱戦が繰り広げられたのです。
VIVITA ROBOCON 2019 FINALは、涙と笑い、驚きと感動に満ち、それぞれの心に残る大会となったのでした。


VIVITA ROBOCON 2019 FINALの様子はこちら。
参加者の勇姿をぜひ動画でご覧ください。


次回より、各拠点における全国大会への軌跡を「VIVITA ROBOCONへの道」シリーズとしてご紹介します。 お楽しみに!