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VIVITAの壺 #3 ソフトウェアエンジニア 白川 洸陽 ほぼ一万字インタビュー

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VIVITAの壺とは!?
VIVITA管理部のくぼちゃんとコミュニケーターのさかいが、社内のヒト・モノ・コトについてインタビューしまくるコーナーです。VIVITAの魅力をみなさまにお伝えすべく、どこまでも食い下がり核心に迫ります。


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さかい: VIVITAの壺、3回目のゲストはソフトウェアエンジニアの白川さんです。

と言う訳で、今日は白川さんを捕獲するため、はるばるお住まいがある越谷レイクタウンまでやってきました。今日は壺(※)を持ってくるのを忘れたので丸腰でお願いします。

(※「VIVITAの壺」#1 #2に登場するアイテム )

さかい: 私、去年の6月に入社したんですが、じっくりお話しするの初めてですね。今日はぜひ、私を白川さんツウにして帰していただきたいです。

白川: くぼちゃん、VIVITAに長くいるけど、白川ツウになったことある?

くぼちゃん: ない。(笑)

さかい: 白川さん、基本的に在宅勤務でオフィスにいないから、VIVITAイチのレアキャラですよね。でも私、宮田さん(VIVITA co-founder)から白川さんのお話を聞いたことがあったんです。宮田さんが白川くん大好きって言ってましたよ。

白川: 宮田さんとは映画のプロジェクトとかも一緒にやっているんですよ。

さかい: 映画のプロジェクトって?

白川: 僕は若い頃に俳優をやっていて、監督として映画も作っていたんです。

俳優やスタッフって、初期に報酬をもらうだけで、いくらその映画がヒットして興行収入を稼いでも自分には入ってこない。いわゆるロイヤリティを創作に関わった人にちゃんと還元できるような仕組みが欲しいし、今のクリエイターたちにもう少しフォーカスして欲しいから、その枠組みを作るプロジェクトを宮田さんたちと進めています。

さかい: 素敵ですね。私もお手伝いしたいです。

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最長記録を更新中

さかい: VIVITAでは何をしているのか教えてください。

白川: 仕事の割合としては、今はMY VIVITA(VIVISTOPの会員管理システム)の開発かな。次にやろうとしているのがVIVITA OFFICE(勤怠管理システム)の開発と、今月来月から始まるVIVIWARE Cellのios化です。

メインはiosアプリと、Web関連ですね。フロント側ではあるものの、インフラのサーバーまわりを含め、Low Layerまで手掛けています。基本全部やっちゃうので、ぽーんと任されてゼロから組み立てる、みたいな。

さかい: VIVITAに入って何年目ですか?

白川: 5年くらいかな。基本的に1、2年で辞める人だから、こんなに長続きしたのは初めてなんです。入る時に自分の中で決めたミッションを達成したら終わりにして、次のステージに行っちゃう。だからここまで続いたことがないです。

VIVITAが半年や一年で変化していく会社だからだと思います。それがすごく刺激的だし、やりたいことにチャレンジさせてもらえる環境だから、続けてこれたんでしょうね。最近は人が増えて、環境が少し変わってきましたけど。

さかい: VIVITAに入社した経緯を知りたいです。

白川: 前職はYahooだったんですが、子どもが出来たときに1ヶ月育休を取って、育児や家事をガッツリやってみたら結構大変で。復職するか悩んでいたそのタイミングで、VIVITAの前身を立ち上げようとしていたサイバー時代の元同僚に「一緒にやらないか」と声をかけてもらったんです。

ハードウェアを作るのも面白そうだったし、まさに子どもが生まれたばかりだったから、自分の子どもが成長した時に使えるようなものを作るのはすごくいいなぁ、と思ってジョインしました。

さかい: サイバーにもいたんですね。

白川: Yahooの前がサイバー、と言ってもアメリカのほう。藤田さんの右腕と言われていた西條さんが、アメリカの立ち上げをする時に声をかけてくれたんです。サンフランシスコで2年間、スマホ向けゲームを作っていました。日本に戻ってきたあとは、半年だけ本社にいて。

さかい: だいたい1、2年で辞めてきたというお話でしたが、Yahooも短かった?

白川: そうですね。Yahooも、最初にオファーが来た時は3ヶ月か半年くらいなら手伝うよっていう話をしていたんだけど、3ヶ月でリーダーを任されて、気が付いたらサービスマネージャー兼開発部長になっちゃって。やめるにやめられなくて結局1年半か2年くらいいました。

コンピューター楽しい!

さかい: ソフトウェアエンジニアになったきっかけを伺いたいのですが、学生時代の専攻は何でしたか?

白川: 情報工学です。言語で言えばC言語とかjava、パスカルという教育系の言語や特殊な言語も扱いました。電気回路やロボットの授業があったので、ハード系も勉強しましたね。

さかい: なぜ情報工学を勉強しようと思ったんですか?

白川: 当時(1999年頃)、これからは福祉かコンピューターか、みたいな時代だったから。理由はただそれだけ。

さかい: 子どもの頃から興味があったとか、そういうことじゃない?

白川: そうじゃないですね。むしろコンピューターは全然できなかった。ゲームは好きだけど、自分の中でゲームとコンピューターが結びつかなったから、あんまり興味なくて。

でも、コンピューターって面白いなと思ったのがタイピング。タイピングを練習するソフトを大学が用意してて、ランキングの上位になるのが面白かった。コンピューター楽しい!っていうかタイピングなんだけど。

さかい: 入り口って大事ですよね。(笑)

白川: 打つのが早くなって、やたらと音たててタイピングしたりして。カタカタカタカタッターンッみたいな。(笑)

そんなことをやっているうちに、大学でもらったテキストの一番後ろにマニアックなUNIXのコマンドが載ってるのを見つけて。他のパソコンに入れるrloginのコマンドで人のパソコンに入って、いきなり「おはよう」って入れたり、勝手にウインドウを立ち上げたりしてました。イタズラ大好きだから面白くて、ハマりましたね。

図書館に行って、自分で調べて勉強して、その時に出会ったのがダイナミックHTML、要はjavascriptとか。ああいうのをちょっとやってみたいなと思っていたら、申請すれば大学が公開しているサーバーを使えると分かって。そこに自分のホームページを作って、それが楽しくて夏休みずっと通い詰めてました。誰もいないコンピュータールームで一人でずっとカタカタカタカタ。

さかい: ぴたっとハマったんでしょうね。

白川: 当時バンド活動もしてたから、自分のバンドのホームページ作って。それが楽しすぎちゃって、全然活動してないのにページの更新ばっかりしてたから、ライブよりそっちが充実してました。(笑)

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さかい: (笑)音楽活動もしていたんですね。

白川: そう。で、芸能プロダクションに所属して俳優やって。

ちょっとしたCMに出たりしたけど、なんだかつまらないなって感じてて、逆に興味を持ったのはその周りのスタッフさんたち。カメラマンさんとか、すごいなと思って。それで映画に興味を持ち始めたんだけど、そのタイミングで自主制作映画を撮っている監督さんとご縁があったんです。そこで主演を務めて自主制作映画に関わってみたら、作り手側もやりたくなって、自分も監督として映画を撮り始めました。

俳優兼映画監督兼システムエンジア

さかい: もともと映画好き?

白川: 映画が好きだったんだって気付いたんです。親父がすごく映画好きだった影響で、今思えば皆が知らないような作品を結構観ていて。やっぱり人と映画のことを話していると楽しいし、自分で撮るようになってさらに好きになりました。

さかい: どんな映画を撮っていたんですか?

白川: ファンタジー系かな。大林宣彦監督が好きで、ファンタジーかつ恋愛映画とか、そんな感じのものを撮ってました。その傍ら、知り合いの監督がホラーを撮る時に助監督で参加したら面白くて、ホラーが大好きになりました。ホラーってお笑いと同じく、短時間で人の感性に訴えられるところがすごいと思うんです。

そんなことを学生時代にやっていて、当時から「俳優兼映画監督兼システムエンジア」みたいな肩書きの名刺を持ってました。

元からの性格なんだろうけど、僕は皆と一緒というのはすごく嫌で。就活もやりたくなかったから、一社だけ受けてやめちゃいました。その一社というのも、自分のホームページ経由で直接メールをくれた企業。でも何だかつまらなくて、社長面談の時にふざけた格好で行ってみようと思ってパーカー着て行って。(笑)

さかい: やりおったな・・・。(笑)

白川: これでもし受かったら面白いなと思ったんだけど、やっぱり落ちたからもういいやと思って、就活やめました。とは言え、自分の生活を成り立たせないといけないので、近所でシステムエンジニアのバイトをしながら自分の事業を立ち上げました。当時webの制作って儲かる仕事だったから、デジハリに通ってデザインの勉強して、自分で営業して。

そのうち、Ajaxを使った技術でウィジェットを作っている会社に手伝ってほしいと言われて、アルバイトで入社しました。そこはソフトバンクやmixiのモバイルゲームから直接仕事を請けている会社だったんですが、mixiのソーシャルゲームが立ち上がってサンシャイン牧場なんかが流行り始めた時期に、エヴァンゲリオンのソーシャルゲームを作る機会があって。その時にコミュニティファクトリーの松本さん(当時)と繋がって、この人と一緒にやったら面白いだろうなと思って、そこにジョインしました。

さかい: コミュニティファクトリーもやっぱりアルバイトだったんですか?

白川: バイトです。社員は絶対やだ、属したくない!って言って。 自分の事業もあるし、拘束されるなんて絶対に嫌だったので。最初週3だったのが、そろそろ週5でやってくれない?って言われて、途中からディレクターやプロダクトマネージャーになって、社員になってくれって言われても、やだやだって。

くぼちゃん: 板本さん(VIVITAエンジニア)は元々、コミュニティファクトリーで一緒だったんですよね。

さかい: え!そうなんだ。

白川: 10年くらい前なんだけど、当時板本さんは坊主頭で、腰をかがめてすごく丁寧に話すから、新卒だと思ってて。ほんと新卒で頑張ってるなぁこの人って。自分より4つくらい年上なのに。(笑)

さかい: 板本さん、今でもキング・オブ・年齢不詳ですよね・・・。

白川: その後サイバーからオファーが来て、アメリカに行って日本に帰ってきて、彼とYahooで合流する、みたいな。コミュニティファクトリーがYahooに買収されたから。

さかい: サイバーは正社員だったんですか?

白川: そうです。アメリカで働くならビザを取らなきゃいけないから、仕方なく。 とは言え、やっぱり自分の事業をやりたい気持ちがあったから、最終面接で「一年半で辞めますよ」って言って。それでも「いいよ」って言われたから、じゃあいいかって。(笑)

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個人の時代における、VIVITAの役割

さかい: VIVITAでやりたいこと、たとえば今年チャレンジしたいと思っていることはありますか?

白川: やっと本題ですよね、きっと。(笑)

自分のことや、未来を考えていく中で、VIVITAの存在は絶対に避けて通れないと思っています。この先は、個人の時代だと思っていて。それこそソーシャルメディアが出てきて、今までのマスメディアに代わって個人が色々発信できるような世の中になって、しかもそれが力を得るようになってずいぶん変わってきてるし、これからもどんどん拡張されていくと思います。この未来に、この世界はどうなっていくのかと考えたりします。

今の教育は、小学校の次が中学、高校、大学で、企業に就職するのが一般的。なんで良い大学に行くのかというと良い会社に入るためで、良い大学に入るために良い高校を選ぶ、というふうに逆算で数珠つなぎになっています。

じゃあ、良い会社なんてあるの?って話になると、この多様性の時代に絶対の安心安全みたいなものは無くなってきているし、そこが崩壊したら教育も変わらなきゃ、と思っています。個人の時代へとシフトしていくなかで、企業が果たす役割も変わってきているんです。

個人個人がひとつの会社になって、それで好きなことやって生活できるっていう世の中になってきているので、そうすると、大学はいらないかもしれない。

大学まで20年近くも学校に行って勉強する必要はないんじゃないかと思います。最終的に大学が増えるか減るか、両極端になるんじゃないかな。大学の役割というのは、よりもっと何かに専門特化した研究所、もしくはVIVISTOPみたいになっていくんじゃないかと思って。あるいは大学が減って、高校がVIVISTOP的なものになるかもしれない。

学校のなかで、基礎過程は必要だし大事。でも、そのプラスアルファで興味を持ったものをとことんやる、みたいなことって学校は向いていないと思うし、出来る先生もほとんどいないと思うんです。

今の学校に費やしてる時間が減って、自由な時間をVIVISTOPが担う。もしくはVIVISTOPのビジョンやミッションに共感した人たちが新しく立ち上げる。そういう未来になるんじゃないかな。そうなって欲しいし、そうなるように働きかけたいです。

世界中の人たちと楽しく生きていこう

さかい: VIVISTOPってどういう場所であるべきだと思いますか?

白川: 世の中にクリエイティブなことって色々ありますよね。だからこそ、何かに特化することが必要だと思います。こっちのVIVISTOPはこれに特化している、あっちのVIVISTOPはこれに特化している、と言ったことです。かつ、海外の人との交流のHUBになる、その2つが大事。

子どもに対しても、そんなに子ども扱いしなくていいと思うし、子どもに依存したり、子ども任せにしなくてもいいんじゃないかなって思います。子どものために、ではなく、一緒に作る。フェーズにもよるけど、普通にミッションの同僚や仲間というレベル感で出来ると思っています。今すぐ大人の中に入ってこれないと思うんだけど、独学なり何なりしてプログラミングとかわかるようになって、一緒にやるっていう流れで。

もしかしたら、もうちょっと年齢が高い子どもたちと一緒にやってもいいのかもしれないですね。今はクルーと子どもの年齢差が結構あって、教えるにしても根本が人格の形成のフェーズになっちゃってるから。一段下げたくらいの年齢層、大学生高校生くらいの子どもたちと一緒に始めて、彼らがさらに若年の子どもたちに教える。

最終的には子どもも大人も関係なく、一緒にクリエイティブな活動をして、海外の人たちとも一緒に活動している。その頃にはきっとVRも普通になってるし、翻訳も自動になってるかもしれないから、海外の人とも違和感なく交流できていると思うんです。世界中の人たちと楽しく生きている、という未来が来ると思っているんだけど、その象徴がVIVISTOPなのかなと。

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さかい: 世界や社会との接点は大事ですよね。私は個人的に、VIVISTOPが子どもたちがいち早く社会の一員になるための場所になったほうがいいと思っていて、大人との活動のなかで自分の好きなことや興味を見つけてくれたらいいし、その実現のために勉強する、大学に行く、という動機になればいいなと。その活動を中心に経済が回っている仕組みを作ることについては、どう思いますか?

テクノロジーで概念を変えたい

白川: 「何か作りたい」と言って作るものって、「人のため」であることが多いと思うから。人のためになるものは結局お金になりますよね。

ただ、お金じゃなくても、物々交換みたいに何かが返ってくるとか、自分に足りないものを補ってもらえればいい。そうやって回していくと、お金って本当に必要なのかな?って思います。そういうことを国や地域の単位で考えちゃうからすごく難しくなるわけで、結局、自分の身の回りにいる人、自分と関わる人ってそんなに多くない。それこそ30人50人とか、それぐらいの規模で考えてみればいいと思うんです。

その中だったら、ブロックチェーンなり新しい通貨なり何でもいいと思うし、むしろその方がハッピーなんじゃないかって。信頼できる人たちとだけ生活する、その集合体のくくりのほうが、法律も一律にしなくていいし、細かいところまで決めなくて済む。その集合体のことをコロニーって言ってるんだけど、その単位で生きていくようにできたらと思っています。

くぼちゃん: 私たち知らないだけで、すでにあるんですよね、きっと。世界の一部の人はそういう風に生きてて。

白川: 世の中の仕組みから言うと、お金が必要な部分もあります。お金は便利だし、保存できるし、需要が違う者同士でマッチングして対価に変えられる唯一のものだから。

それはあっていいと思うけど、お金の概念が変わってほしい。お金がないと生きていけない、じゃなくて、お金があると違う選択肢を得られる、という程度のものに。生きていく分には別にお金がなくても成り立つ世の中になってほしいし、なるべきだと思うんです。

それを実現できるのはテクノロジーだと思っていて、それこそAIとかブロックチェーンですね。ブロックチェーンはユニーク性を作れるので確実に必要です。誰がマイニングするのか、誰が信用担保するのか、みたいな部分がクリアになれば、一気に加速すると思います。

さかい: AIやブロックチェーンの話になると、監視社会の問題が付随しますよね。そこはせめぎ合いでしょうか。

白川: 昔は監視してないのかって言ったらそんなことはなくて、街の中で不審者がいたら口コミで広がっていたものが、テクノロジーによってメッセージテキストになったとか、それだけの話かな、と。ブロックチェーンで管理されることと、街中に監視カメラを置くってことは違うだろうし。でもね、その監視カメラを皆が許容できるんだったら、それはそれでいいんじゃないかと思うんです。

だから何が良くて何がいけないかっていうのを、上辺の情報だけで判断すべきじゃないと思ってます。別に皆がよければいいんじゃないっていうことを、国みたいな一億とか何千万っていうレベルで考えちゃうと、それは無理ですよね。でも30人とか、せめてそれくらいの単位だったら、皆の合意が取れたりする。そのコロニーに合うものでやればいい。

さかい: そうか。こういう視点の持ち主が宗教とか作るんだな・・・。(笑)

白川: (笑)

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白川: まあ、ある意味宗教だよね、こういうの。スタートアップも宗教だろうし。

さかい: 哲学思想的な話にもつながるから、その視点を持っている人が、人間の長い歴史の中で宗教を興してきたんだろうなと。そのうち越谷レイクタウンに白川村ができるんですね、コロニーができてね。

白川: でも、あんまり皆が近くに住んでるイメージじゃないんだよね。それこそ、VRで繋がってるとか、そんな感じでいいなーと思ってて。

居場所を自由に選べる未来

くぼちゃん: VIVISTOPを作るとしたら、どこに作りたいですか?自分が好きに作っていいよって言われたら。

白川: 場所はどこでもいいですね。誰もいないのは寂しいけど、それはそれで面白いなと思ってて。地方とか何もないところに人が集まるようなVIVISTOPを作りたいです。

あと、簡単に引っ越しができるようなスマートシティを作りたい。やっぱり引っ越しってしづらいですよね。自治体が違うと税金の納め方も違う、書類も違う、とか。妻子のことを考えると、あっちの小児科の医者は大丈夫なのか、とか。

でも、あっちに引っ越してもテレカンで診療できるよ、VRで見れるよ、遠隔でもロボットが見てくれるよ、という環境があれば心配ないと思うし。 そういう都市をいろんなところで作れたらいいですよね。

さかい: 各地に白川村がいっぱいできるってことですね。

白川: 名前をつけないでって。(笑)

くぼちゃん: 新しい価値観で新しい通貨があって、みたいな。でも、やれそう。本気出せば白川さんやると思う。

白川: この先は、きっと出来るだろうなぁって。やっと技術において色々整ってきた気がしていて。そして泰蔵さんとか、おそらく同じようなビジョンが見えている人たちが強力な助っ人として近くにいるわけだから、起こそうと思えば起こせるでしょうね。

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さかい: 白川さんにとってVIVITAは、大きなビジョンの中のほんの一部なんだなって思いました。VIVITAで働き続けることについてはどう考えていますか?

白川: VIVITAで働くことは、自分が生きていることの一部ですね。だから最近は特に、VIVITAとは、とか深く考えてないです。自分が生きていくなかで必要なこと、やりたいことの一部だからやってる。

さかい: 愚問だと思うんですけど、VIVITAに入って自分が変わったなって思うとこってありますか?

白川: どうだろう。でも、自分が考えていたことがより広がったり、言語に出来てない部分を泰蔵さんなり誰かしらが言語化してくれて、より理解が深まったりした、という部分はありますね。

さかい: 大変良い回答でした。

白川: 本当に?(笑)

さかい: ついでに、普段は言えないけど実はみんなに申し訳ないなと思っていることってありますか?

白川: やっぱり、自分のこういう働き方(※基本的に在宅勤務)について、異なる価値観を持っている人は納得してなかったりするんじゃないかと思っていて。なんで人形町のオフィスに来てないの?とか、今何やってるの?とか。今の枠組みの中では、コミットできていないように見えるかもしれない。

自分ではそういうつもりはなくて、もう少し大きいところで捉えて違うアプローチでやっているものの、その枠組みの中から見ると、もうちょっとこうして欲しいのに、合わせて欲しいのにという要望に応えられていない部分もあるんだろうなと思います。

その価値観の中だときっと適してない部分があって、そこに対しては申し訳ないな、と。その枠組みの中で考えると申し訳ないな、と。一歩外に出ると、なんで?って思うけど。(笑)

食洗機が信用できない

さかい: では最後に少し、個人的なことを教えてください。

仕事は楽しいですか?は、もう、愚問なので聞きません。仕事に振り回されているタイプではないので。個人的な悩みはありますか?も、きっとそういう次元じゃないので聞きません。

白川: いや、悩みはあるよ!あるあるある!

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くぼちゃん: 今日の晩ご飯とか?

白川: いや、違います!(笑)
それもあるよ。毎日さぁ、考えなきゃいけないわけじゃん。

さかい: ごはん作ってるんですか!?

白川: 作ってる作ってる。

くぼちゃん: 急に人間臭くなった。(笑)

白川: いや、やっぱり、家事育児が本当に大変。

朝起きて、子供起こして、子供と一緒にアンパンマン見て、シャッター開けてゴミ出し行ったりして、で、子供が学校行く準備するわけじゃない。お茶とかも入れて、いまの時期だったらちょっと温めて人肌程度に、みたいなことやってる。で、ご飯を作って、着替えさせたりとか。自分でやって、って言いながら、向きが違うのを変えたりとかさ、結構細かいことの積み重ねで、朝ご飯を食べさせて、食べ物が落ちたら拭いて、ヨーグルトはいはいはいはいはいって出して。で、その後、トイレに行かせて、その間に自分の準備して、ウンチもう出た?出た!3つ出た!みたいな会話して。 今日なんか、車の中を温めてる間に手洗っといてねって言って戻ってきたら下がびしょびしょになってて、何してんのお前?みたいな。いいからリビング行ってて、って言って、床を拭いたりとかね。それだけでも、朝はいっぱいあるじゃない?で途中で買い物に行ったりとか、夕飯考えて夕飯作ったりとか。

夜も夜でたいへん。一歳の娘にごはんをあげて拭きながら、で、長男は長男でなんか落とすし、耳触りながら食べたりするので口が止まったりするから、もうちゃん食べてとか言いながら。で、それ終わるとデザートあげて、あとで洗い物を楽にするために手洗い少しだけして、お風呂入れて、小さいほうから入れて出して拭いて。この時期は乾燥するからクリームを塗って、ちょっとひどい蕁麻疹とか別の薬塗って乾かして、パジャマ着せて。喘息持ちだから今の時期は薬が必要で、薬飲ませて歯磨きしてあげて、夜のトイレつれてって寝かせて、みたいな。

もう、仕事以外は、家事、育児のみだよね。

さかい: 食洗機あります?

白川: ない。信用できない

さかい: 買いましょう。いまの食洗機は素晴らしいです。お子さんがいる家庭は本当に楽になりますよ。知らんけど。

白川: それね。いろんな人に言われました。置き場にも困るんだけど、本当に無理なの、昔のバイトした寿司屋でゴキブリ入ってたっていうトラウマがあって。

さかい: 原体験があるんですね。そうか、じゃあ、洗い物が大変ですね。

白川: そう、爪もボロボロだし手も荒れるし。

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くぼちゃん: すごいですよね。家事やりながら仕事して。

白川: よく言われる。その時間術を教えて欲しいとか。いや、時間術じゃなくて、休憩してる時間はトイレの時間だけなんだって。それ以外ずっと、仕事か家事育児してるし。

まずは、自分自身と身近な人を幸せにしたい

さかい: 睡眠時間は何時間ぐらいですか?

白川: 多分5、6時間はとってます。

自分がこういう生活をしているから、専業主婦の人はすごく大変だなと思ってて。あの狭い空間の中でずっと家事育児やってると、ノイローゼになりそう。自分にとっては仕事のほうがずっと楽。仕事も確かに大変なことあるけど、外に出られるだけでも、人と話せるだけでもずいぶん違うから。

さっきの話に繋がるんだけど、コロニーの中で育児もみんなで一緒に出来たらいいですよね。信用の問題があるから、作ってすぐにポンとはいかないだろうけど、ステップを踏んで。

VIVISTOPができて、そこに集まる子どもたちが共感し合えたら、もしかしたら親同士も共感し合えるかもしれない。共通項があれば話もしやすいだろうし。もしかしたら、それで解決できるかもなぁ、と思いながら、それでも毎日の家事、育児、超大変・・・

そういう悩みです。
専業主婦の枠組みを変えたいなぁ・・・。

さかい: 人間臭い悩みから、やっぱり神の視点になってコロニー構想に行き着きますね。そろそろ村の名前考えましょうか。

白川: やっぱり、自分自身の幸せ、周りの幸せが一番大事だから。

さかい: やりたいことや実現したいことはあるけど、自分がどんな仕事するかとか、自分の名前を社会的に残すとか、そういうことにはあんまり興味なさそうですね。

白川: 興味ない。だから大企業とかも興味無いし。

自分が死ぬ間際に近くにいる人、隣にいる人はきっと妻だろうなと思うんです。その時に「自分が世界人類にこれだけの影響を与えた」って言っても、妻からしたら「はぁ、それで?私に何かしてくれた?」みたいになるなと思ってて。(笑)

その時に、昔はああだったね、こうだったねっていう話せる内容を増やしたいんです。その時間を大事にしたいからこそ、自分のコネクションなり技術なりを使って、出来る限り、妻や大事な人たちと一緒に何かできる時間を増やしたい。

楽しいこと。それを大事な人と一緒に話しながら暮らしたいなぁ、と思います。

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VIVITAは生きていくことの一部

さかい: 素晴らしい。〆にふさわしい素敵なお話でした。
そんな白川さんにVIVITAを一言で表すと?という質問をしたいんですけど。

白川: 超難しいこと聞くね。

さかい: 皆難しいって言いますね。

白川: さっきも言った通り、体の一部だったり、生きていくことの一部ですね。欠かすことができないパーツみたいな。VIVITAと言う名前が消えたとしても、そのビジョンは多分、自分のなかに残ってるだろうなと思います。

さかい: VIVITA愛、いただきました。ありがとうございます。宮田さんが白川さんを好きだって言ってた気持ちがちょっと分かりました。

白川: (当日カメラマンをしていた)青木さんは?僕のこと好き?

青木: えっ!?そこまではまだ距離感が・・・。(笑)

白川: じゃあ、友達からスタートしましょう。

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(特別付録:白川 洸陽 撮り下ろしグラビア)


編集後記

1つ質問したら10返ってくる白川トークに圧倒され、気が付いたら90分インタビューしており、しかもトーク内容が濃くて圧縮したらビッグバンが起きそうなんだけどどうしよう。と言いながら推敲に推敲を重ねて、なんとか一万字近くまで編集できたものの、長いよ!(笑)でも白川さんは噂通り、面白い人でした。湖畔でポーズを取ってくれとお願いしたら、イヤイヤと言いながら決めてくるあたり流石です。白川村の誕生を心待ちにしています。(さかい)

普段接する機会が少ない白川さんですが、このインタビューをきっかけに白川さんの考えを深くまで聞くことが出来ました。パーカーで最終面接行っちゃうくらいふざけてるのに、教育からはたまたコロニーの話になっちゃうくらい一つ一つの物事を深く考えている白川さん。本当にすごい方です。と、思ったら人並みに育児で奮闘してて・・・(笑)面白すぎます。いやー本当に今回はほぼカットが出来ない神回でした。(くぼた)

■VIVITAで白川さんと一緒に働いてみてもいいかな?と思った方はこちらをクリック! recruit.jobcan.jp

(編集・境 理恵 × 窪田 有希 /写真・青木 孝太朗 /デザイン・mix)