こんにちは、さとうももこです。
みなさん、最近どきどきしましたか?何にどきどきしましたか?
私は、こちらです。
いやあ、おもしろい。見た瞬間に胸高鳴る。緊急速報ってなんなの。謎の魚って?イカダ、2週間前までは浮いてたのに!
これらの写真はアクアテラスラボのwebサイトに投稿された写真です。アクアテラスラボは、2018年から千葉県柏市で実施しているプロジェクトです。気づいたことや調べたことを生かして、調整池 兼 親水空間であるアクアテラスを、よりよい場所にしていくことを目的に活動しています。
今年4月末にリリースしたアクアテラスラボのwebサイトは、プロジェクトを進める上で「ドキドキ増幅装置」として大活躍しているので、今回はこのサイトを自慢したいと思います。
ポイント1 写真は誰でも気軽に投稿できる
あなたが気になることが知りたいの
アクアテラスラボでは「なんとなく気になること」や「ささやかな発見」を大切にしています。一見ささやかな発見が、考えを進める重要なヒントになるかもしれないから。しかも「なんとなく気になること」は、うまく言葉にならないことも多々あります。だから気軽に写真投稿ができる環境は「あなたが気になることが知りたいの」というメッセージなのです。サイトを見てもらえれば分かる通り、種をまいたとか、雨で通路が浸水しているとか、みんな気負うことなく写真を投稿しています。
誰でも投稿を支えてくれるVIVITA Account
ささやかな発見はVIVITAメンバーに限らず広く募った方が、ひとりでは気づかないことに気づくチャンスが増えるはず!なのでVIVITA Accountを作成して、大人でも子どもでも、誰でもアクアテラスの写真を投稿できます。これまでに地域の大人の方も利用してくださいました。
関わり方のグラデーション
ちなみにVIVITAのメンバー登録は、VIVITA Accountを作成して気軽に参加できる「VIVITA Explorer」と、未成年が安心して活動できる環境を実現する「VIVINAUT」の2段階になっています。2段階だからこそ「参加する/しない」「0か1か」の2択ではなく、「写真投稿するだけのメンバー」のように関わり方のグラデーションをアレンジすることができる。そのグラデーションこそが興味の多様性を受け止めてくれるのではないかしら?と思っています。
ポイント2 話し合うのは顔をあわせて
少々話がそれましたね!アクアテラスラボのwebサイトの話に戻りましょう。
SNSのコメント欄で対話は可能なのか?
写真投稿ページがあると、ついついコメント欄や「イイね 」ボタンをつけたくなってしまいますね。いつでも気軽にコミュニケーションがとれるのはいいことだと思いがちのような気がします。しかしSNSのコメント欄で対話は可能なのでしょうか?気軽にコメントができることは本当にいいこと?
わからなさと向き合う
アクアテラスラボのwebサイトは、写真を投稿することはできるけれど、他人の投稿に対してコメントやリアクションはできません。例えば、なにか生き物の写真とともに「この生物がなんだかわからない」というコメントが投稿されたとしましょう。もしコメント欄があったらどうでしょう。きっとだれかがwebや図鑑で調べて名前を教えてくれるのではないでしょうか。でも、それって、そんなに大切なことでしょうか?むしろ名前を知ることで分かった気になってしまうかもしれません。分かった気になったらもう行き止まり、そこでおしまいです。 だれかの発見に対してコメントするのではなく、自分が発見したことをシェアすることで答える。そうすると、分からないことに変わりはないけれど、考える材料が増えて、みんなで取り組む良さが見えてくる。そこには行き止まりも終わりもなくて……、それこそがおもしろいと思うのです。
時間を共有しているからこそ耳を傾ける
そうはいっても写真投稿しておしまいで、コミュニケーションの機会がまったくなしでは、さすがに何も発展しません。顔をあわせて話す時間はオンラインやオフラインのイベントとして設けています。時間をとって話しながらじっくり見ていると、1枚の写真から複数の発見があるものです。イベント実施予定は写真投稿のすぐ横のタブから確認できます。
ポイント3 まとめると見えてくるストーリー
クリエイティブラーニングってなんだ?
VIVITAはミッションのひとつに「クリエイティブラーニング環境を提供する」を掲げています。しかし「クリエイティブラーニング環境」とはいったいなんなんでしょうね?私の中での暫定的な定義は「発見が連鎖すること=クリエイティブラーニング」。井庭 崇先生の『クリエイティブ・ラーニング:創造社会の学びと教育』で紹介されているこの考え方が、いちばんしっくりきます。
写真を投稿≠クリエイティブ
写真=ささやかな発見ではあるけれど、ただそれをシェアするだけは、あるいは見ながら話をしても「発見が連鎖していく」実感はありません。ただ見つけるだけでも、話しても、あるいは作ってみる・やってみるだけでも、クリエイティブラーニングにはならないのです。きっと。
次の活動を考えるときが一番おもしろい
アクアテラスラボの活動の中で、いちばん「発見が連鎖していく」感じに近づける気がしているのは、フィールドワークや写真を振り返りながら、次の活動をまとめていくときでしょう!次にやりたいことを話し合うと、それまでのフィールドワークで感じた疑問やひっかかりをもとにアイデアが出てくるわけです。これをまとめると「なんで?」と「そっか!」が連鎖していることが実感できます。今のところ、活動のまとめブログは私が書いていますが、ゆくゆくメンバーが書いてくれるといいなあと思っています。
おわりに
ここまでアクアテラスラボのwebサイトを自慢するといいつつ、私がプロジェクトを進める上でのこだわりやおもしろいと思っているポイントを書き連ねてきました。と言うのも、私が思うVIVITAのおもしろさというのは「形にすることを通して考えを進めたり深めたりしていくことができる」ということに他ならないからです。
アクアテラスラボの活動は2018年からスタートしましたが、スタート当時と今では進め方がまったく違っています。ここに書いたことは、webサイトを作るプロセスを通して言葉になってきたこと。次が見えてくるから、形にすることに価値がある。webサイトを作るにあたってご尽力いただいたmixさん、板本さん、鎌田さん、水澤さん。どうもありがとうございました!これからもよろしくおねがいします。