こんにちは、VIVIWAREエンジニアの新居です。
今回は、先日VIVIWARE Shellが導入された軽井沢風越学園さんについてご紹介します。
はじめに
まず、軽井沢風越学園(以下、風越学園)とは「どんな子どもにも幸せな子ども時代を過ごしてほしい。 遊びが学びへとつながっていく、この人間の自然な育ちを大切にした学校をつくりたい。」 そうした思いをベースに幼稚園と義務教育学校からなる12年間の幼小中混在校として2020年4月に開校した学校です。
私も学内を見学しましたが、とても充実したラボエリア(図工室・工房・技術家庭室・理科室・そうぞうの広場)があり、モノづくりに重きを置いた楽しそうな学校に見えました。 詳しくはリンク先をご覧ください。
さて、次にVIVIWARE Shellとはなんでしょうか?
これはVIVIWARE社の製品で、レーザーカッターと一緒に使えるように設計されたAndroidタブレット用2次元CADです。
一般のCADと違い、タブレットデバイスの上で、手先で図形を選択・移動したり寸法を入力することができます。 子どもたちがロボットを作っている同じ机上で、自分でレーザーカッターで切り出したい形状の図面データを作成できることが大きな特徴です。
レーザーカッター導入のお話
風越学園には、2022年6月にVIVIWARE Cell*1のデモで訪問し、Shellについても説明する機会がありました。 その時のご縁で、今年8月にレーザーカッター導入にあわせてShellを使ってみたいとご連絡くださり、3ヶ月間の体験導入が決まりました。
もともと風越学園では、木材加工する際はノコギリなど手作業やボール盤、電動糸鋸などでの工作機械を中心にしていましたが、 同じモノを複数作ったり、パソコンで制作したデータに基づいて加工したりするニーズも出てきたとのことで、レーザー加工機導入を検討していたそうです。
ただ、レーザー加工機などの自動加工機を導入する場合、CADをどうするかという問題があります。 中には問題なく使える子もいますが、小学生が図面を引く際は多くの場合で大人がそばに付く必要があったり、図面から出力するまでの変換などに毎回手が掛かったりします。また、CADが使えるパソコンの台数なども制限されてしまう、という問題もあります。
そこで、風越学園にご紹介したのがVIVIWARE Shellです。
このCADはAndroidタブレット上で動作して、小学校低学年でも自分で図面を出力できるほど簡単に使い始めることができます。
また、レーザーカッター(こちらではトロテック社のrayjetという機種)が直接読み込めるPDFを出力できるので、簡単な操作でレーザーカット・彫刻作業がおこなえます。
そして風越学園の4年生以上の子どもたちはAndroidアプリも動作可能なChromebookを使っているため、彼らのデバイスで利用できるというのも良い点でした。
ライセンス管理方式もレーザーカッターの台数(種類数)だけで月額課金のため、タブレットが多数ある環境でも、金額が変わらないというメリットもあります。
などなど、VIVIWARE Shellの導入のしやすさ、使いやすさについてご説明しました。 その結果、体験導入して使っていただけることになりました。
訪問時の導入作業について
導入の際にはVIVIWARE社のエンジニアが訪問し、レーザーカッターの制御ソフトが動作するWindowsマシンに設定します。 訪問までに以下の様な準備がされていると、インストール作業がはかどります。
- レーザーカッターの制御マシン(WindowsかMac)上でレーザーカッターを使えること
- 制御マシンはインターネットアクセスが可能なこと
- Shellで使うGoogle accountに関してあらかじめVIVIWARE社と打ち合わせしておくこと
- 組織で管理されているタブレットについて、VIVIWARE Shellアプリのインストールを許諾してもらうこと
この状態からですと、ネットワークの設定確認やShellからの動作確認を含め、1時間もかからず作業が完了します。
VIVIWARE Shellの概要
最後にこのVIVIWARE Shellの画面を簡単に説明します。
これが、Shellの画面です。右側に部品が並んでおり、必要な部品を指先でドラッグして左のエリアに移動することで部品を描画できます。 寸法はパラメータウインドウで変更できます。基本図形以外に線で描画も可能です。 最後に下にある「レーザーカット」をタップすることで、完成した図面データがレーザーカッターの制御用のWindowsマシンに送られます。
当社ではVIVISTOP(活動拠点)を運営していた経験もあり、そこに集まるメンバーのために作られたこのCADは、子どもたちがレーザーカッターを使ってきた歴史でもあります。
最初はVIVISTOPの名札作りをおこなうことが多かったため、文字を入力するだけでなく、文字を変形させたりする機能が比較的初期の段階から実装されていました。また、自分で描いた絵を取り込みたいとの要望で画像入力機能が付加され、鉛筆立てのような箱を簡単に作りたいという要望で箱の展開図自動作成の機能なども追加されています。
他にもいろいろな機能が、一番のユーザーである子どもたちからの要望で追加されてきた歴史があり、楽しくレーザーカットをおこなうことができるCADになっています。
おわりに
風越学園ではいま絶賛 VIVIWARE Shell 体験導入中(2022年9月現在)ですが、子どもたちがレーザーカッターでいろいろな作品を楽しく作ってくれたらうれしい限りです。
VIVIWARE Shell に関心を寄せてくださった風越学園の皆さん、ありがとうございました。
この記事を読んで興味を持った方は、ぜひVIVIWARE社までお気軽に連絡ください!
*1:VIVIWARE社の主力商品のプロトタイピングツール cell.viviware.com