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VIVITA ROBOCON in KASHIWANOHA 2022 企画振り返り対談

こんにちは、かっしーと申します。

2022年9月25日、VIVITA ROBOCON in KASHIWANOHA 2022を開催し、無事盛況のもと閉会することができました。この大会はVIVITA ROBOCON史上初の中高生クルーが主体となって企画・運営した大会です。中高生クルーの大活躍ぶりはYoutubenoteでご覧ください。

本稿では本プロジェクトを見守り続けた大人(ぐっちー・こむこむ・僕)が対談しながらプロジェクトを振り返りっていきたいと思います。

INDEX

VIVITA ROBOCON in KASHIWANOHA を振り返って

かっしー:
改めて、VIVITA ROBOCON in KASHIWANOHA 2022 運営お疲れさまでした。

ぐっちー:
お疲れさまでした。ロボコン運営は初めてでしたが、楽しかったです!「楽しいけどつらい、つらいけど楽しい」な感じ。

かっしー:
ほうほう、どのへんが楽しくてどのへんがつらかったですか?

ぐっちー:
楽しかったのは「イチからイベントをつくっていく感」でしょうか。 つらいところは・・・うーん、言語化できない・・・。

かっしー:
じゃあ今日はそのあたりを掘り下げていきますか。

プロジェクトの始まり

かっしー:
改めて今回の大会を振り返りましょう。プロジェクトが始まったのはいつでしたっけ?

ぐっちー:
(2022年の)4月からですね。国際ロボット展が終わった後にそのメンバーで集合する機会があったんですが、そこで「次は自分たちで企画やろうぜ」みたいな話になりましたよね。

かっしー:
そうでしたね。もともと「いずれはロボコン経験者の子どもたちが運営する側になってくれたらなー」という妄想はしていたんですが、「いよいよ時が来た」って感じでしたね。「今でしょ!」的な。

ぐっちー:
古!!

かっしー:
(汗)
で、ぐっちーには全体のマネージャー的立ち位置担ってもらったわけですが・・・。 一番つらかったのはどのあたりでしたか?

ぐっちー:
一番はスケジュール調整ですね。 私は中高のころ土日は学校がなかったので、土日は余裕で予定が空いているだろうと思っていたんですが、このメンバーは土日もスケジュールがびっしり入っていて、今の中高生の忙しさをなめてましたね。

かっしー:
土曜学校ある人もいるし、習い事や塾もありますしね。 どういう工夫でスケジュール調整されていましたっけ?

ぐっちー:
最終的には力技です。特に本番の日程調整なんて全員が確実に空いている日がなくて、えいやで9月25日に決めちゃった。全員の都合を合わせるのは無理だったので。 でも奇跡的に本番当日は全クルーが集合しました。全員が集合したのは本番の日だけです。

かっしー:
ほえほえー・・・。

ぐっちー:
初期の打ち合わせは、日曜午前なら皆が来やすいことが分かったので、日曜午前に固定していました。でも各回半分くらいの参加でしたね。それと、製作日は土日を中心にしながら、時間帯は利用する場所の都合で決めていきました。

こむこむ:
ぐっちーから子どもたちへの予定の聞き方も工夫していましたよね。

ぐっちー:
そうですね。最初はスプレッドシートを用意して、「ここにみんな予定記入して」とお願いしていたんですが、全然書いてもらえなくて。 次にチャットに日程をずらっと並べて書いて「来れる日にリアクションしてね」と言ったんですが、それもうまくいかなくて・・・。 最初は中高生たちとの人間関係ができていなかったから、お互いに気を遣っていたのもあったのだと思います。

こむこむ:
でも後半はかなり人間関係ができてきて、みんな返信くれるようになったよね。

かっしー:
ほうほう、どうやって関係性を構築したんですか?

ぐっちー:
製作作業日にオフラインで会ううちに仲良くなっていきました。

かっしー:
それはなにか、単純接触効果というやつ・・・?

ぐっちー:
言い方!!!
私が自分のテンプレロボをつくっているときに「分からないから誰か助けてー!」とヘルプを求めると中高生クルーや参加者が助けてくれる場面が多々ありました。国際ロボット展のときは「大学生のくせにこんなこともできないのかと思われたらどうしよう、こんな些細なこと聞けない、自分で何とかしよう・・・。」という謎のプライドがあったので尋ねることとか出来なかったんです。
でもみんなと接していくうちに、初めからできる必要はない、困った時は年齢関係なくお互いに助け合ってみんなで一緒に成長していけばいいということを学びました。そうすることで私も成長できたし、人間関係もできていったと思います。

こむこむ:
ぐっちー、途中で吹っ切れた瞬間がありましたよね。

ぐっちー:
そうですね。製作キックオフの日(7月24日)に吹っ切れるターニングポイントがありました。

かっしー:
何があったの?

ぐっちー:
久々に中高生たちにオフラインで会って「この子たちすっごい頼もしいな、負けてらんないな」って思ったんですよね。彼ら本当に説明がうまくて堂々としていて頼もしいんですよ。その時説明していたのは、隼介と祥平と美菜と友太かな。キックオフの雰囲気もとても良かった。

かっしー:
分かる。

ぐっちー:
それまでは私が日程調整とかもしていたし、「私がみんなを引っ張っていかなくちゃ」って思ってたんですが、その日を境に「一緒に頑張ろう」って思えました。邪念が吹っ切れた感じですね。

かっしー:
ほうほう。 あと、ぐっちーはいつの間にか僕たち(VIVITA/VIVIWAREの古参クルー)に対してもはっきり物言うようになったなと思っていたんですが、それもこの日から?

ぐっちー:
それは作業が始まってからかな。中高生はかっしーに対しても容赦なくはっきりと物を言うじゃないですか。それをみて、私もインターンだからといって遠慮するのは違うかなと思って。私ももうちょっと遠慮せずにクルーの皆さんに意見を言おうと思えるようになりました。

かっしー:
良いと思います。が、多少はお手柔らかにお願いしたい・・・。

中高生メンバーでロボコン企画!

かっしー:
製作キックオフ前の企画段階についてもう少し振り返りましょう。 7月のキックオフまでの3ヶ月はどんな大会にするか企画メンバーで定期的に打ち合わせしていましたよね。

ぐっちー:
そうですね。みんな忙しくてなかなか集まれなかったけど、一旦集まってしまえばみんなアイデアがポンポンと出るので、ステージの設計とかはすごくスムーズに進んだように思います。

かっしー:
ステージ・ルールを設計するのはロボコンで一番苦労するところで、僕は毎回悶え苦しみながら必死こいて形にしています。だから今回もそこは苦労するポイントだろうなと思っていたんですが、驚くほどスムーズに進んでいました。

こむこむ:
どうやって決まったんでしたっけ?

かっしー:
「ルール設計に携わりたい人挙手」って声かけたら、円花、祥平、友太が手を挙げてくれたんですよ。それぞれ次回までに自分なりのロボコンステージを考えてこようという話になって、そしたら3人ともしっかりとしたアイデアを考えてきて。

逆にここからどうやって決めようかと一瞬心配になったんですが、中高生たちは自然に議論を始めてくれました。結果、友太の案をベースにすることになり、そのまま友太がステージの責任者というポジションになって、以降彼がステージの設計を取りまとめてくれました。最終的には祥平や円花が考えた案の要素も少し加えられて。 あの時は、僕らが全然介入していないのに自然とディスカッションが進んでいったことに感動しましたよ。

ぐっちー:
大人の打ち合わせでも、全然議論が進まないなんてザラにありますよね。

こむこむ:
自分の案が採用されなかった時ってちょっとひがんでしまって引いてしまうこともあるけれど、そうならずに、ステージ責任者が決まった後も他のみんなが協力的な姿勢でいたのが素晴らしいと思いました。

かっしー:
祥平は3D CADでステージ図面をつくってくれたし、ルールのサイトもつくってくれましたしね。

こむこむ:
地味にかっしーも頑張ってたと思います!かっしーは教えるのが上手だし、サポートが手厚いから、子どももつい頼ってしまう。でも今回発言をすごく我慢して控えているのが分かったし、発言する時も中高生のモチベーションを損なわないようにかなり言い方に気を遣っていたなと思いました。

例えば「VIVITAロボコンで守ってほしいことはこれとこれだけ」という条件を最初に提示して指針と裁量を同時に与えるあのやり方、すごく良かったと思います。

かっしー:
ありがとうございます。最初このプロジェクト始める時に「失敗したりグダグダになったりしても我慢しよう」「なんならVIVITA ROBOCONが多少変な方向に行っても彼らの手でそうなるならまぁそれも良いか」とか思ってました。

でも、中高生クルー達は新規参加者の体験をとても大事にしてくれていて。VIVITA ROBOCONの事をとても理解してその思いを汲み取ってくれてるんだということが言葉の端々から感じられて、とてもうれしかったです。

こむこむ:
中高生クルーたちはみんなVIVITA ROBOCONのベテラン勢だもんね。

かっしー:
でもぐっちーも新入社員がいきなりPM(プロジェクトマネージャー)をやったようなものなので、同じく素晴らしい。 経験者中高生クルーと未経験大学生PMという組み合わせは最高でしたね。
マリア――――ジュ!!

ぐっちー:
は?なんすか最後の?!(真顔)

かっしー:
すいません・・・。

ニューデザイナー爆誕!

かっしー:
そういえば、副賞のデザインは円花がやってくれてましたよね。

ぐっちー:
表彰係を募集したところ、円花が名乗り出てくれましたね。

彼女がいろいろ副賞の案をスケッチで描いてくれて。議論した結果、優勝の副賞は優勝旗、デザイン賞・テクノロジー賞の副賞はドリームキャッチャーにしようと決めて、それからデザイナーの青木さんを含めてデザインミーティングが始まりました。

かっしー:
このタイプの副賞は初めてですね。

ぐっちー:
そもそもの発想がすごく良かったし、ロボコンのあのロゴのキャラに「柏の葉」を掴ませるというアイデアがとても良かったです。

かっしー:
いつもロゴの上部は宝石だったので、あの部分を変えてくれたのは初めてなんですよね。

ぐっちー:
円花は色にもすごくこだわりがあって、優勝旗のフリンジは黄色いものが軽くて安いので良いかもという話になったんですが、統一感出るから赤がいいと譲らなくて。 ドリームキャッチャーの糸を一緒に買い出しに行った際も、糸の色にもこだわりがあってびっくりしました。

かっしー:
円花は昔から知ってるんだけど、もう本当に細かいところまできっちりしてる子で・・・。 こんなかたちでそのスキルが実を結びはじめてて本当にうれしい・・・。(感涙)

ぐっちー:
爆笑。あなたは保護者ですか。(笑)

かっしー:
最終的に出来上がった完成品もものすごく良かったですよね。

ぐっちー:
オリジナリティも完成度も高いし、すばらしい副賞でしたね。 次の副賞を考える人は大変ですね。ドリームキャッチャーに関してはかなり地道な作業もあって、円花が一人で全部つくっていたので真似できるかどうかも分からないです。というか、私が欲しいんですよ、あれ!

かっしー:
ではぐっちーも賞とらないとですね。

ぐっちー:
がんばりまーす。

こむこむ:
ああいうのを見てると、大人も賞欲しくなっちゃいますよね。

かっしー:
分かります。

製作期間開始!中高生クルー大活躍!

かっしー:
では製作キックオフの後のことを振り返りましょうか。

ぐっちー:
みんな教えるのが上手いよなと思って見てました。友太なんか兄弟みたいに参加者たちに接していて、さすがだなって。 その分変なあだ名つけられたりして、みんなからいじられてたけど。

かっしー:
みんなお兄ちゃんお姉ちゃんだからかな。 いや、祥平は弟か。

ぐっちー:
祥平もすごく上手かったですよ。 特に祥平と参加者「しょうちゃん」の組み合わせがすごく良かったです。

こむこむ:
分かる!しょうちゃんと祥平が横並びで作業してる時に、しょうちゃんの作業に合わせてナットとかワッシャーとか部品を次々順番に提示しながら先回りしていて、でも急かさず待ってあげている感じが絶妙で、いい空気だなと思ったんですよね。

かっしー:
そういえば、祥平がホワイトボードにイラストで記してくれた難しい作業のコツがあまりにも良くできていて、新渡戸でもこの絵が説明に使われていたんですよ。

ぐっちー:
隼介はスライドづくりがとても上手いなと思いましたね。 製作キックオフの日のスライドはキックオフ前日に私と友太と隼介でつくったんですが、隼介は私の見てる前でスイスイとつくっていくんですよ。

かっしー:
隼介も昔から知ってるけど、当時から自分のつくった製品をPRするスライドとかをバンバンつくっていましたからね。そういうのはお手のものなんですよ。さすが隼介だぜ!(ドヤ顔)

ぐっちー:
爆笑。また保護者目線ですか。(笑)

キックオフの時、VIVIWAREに関する説明をしっかり話してくれたのも良かったです。
臨機応変に対応する力があるから、当日ちょっとしたトラブルが起きても全然動じないし、とても頼れる存在でしたね。

かっしー:
製作が始まってからはずっと順調だったんですか?

ぐっちー:
いや。8月下旬みんなが来れない時期があって、そこが大変でしたね。

かっしー:
ああ、ありましたね。中高生が来れない時期は仕方ないから大人が出動せねばと思って僕も結構行っていましたが、その時期は亮がすごく頑張ってくれていた印象が強いです。

ぐっちー:
そうですね。亮ひとりという日も結構ありました。亮は頼もしいですね。

かっしー:
しかも彼は製作サポートをしながら一眼レフカメラで作業風景の撮影もするし、気付いたらVIVITA ROBOCONのアクリルスタンドを製作してるし、ステージのメンテナンスもしてくれるし。さらには暇を見つけて自分のロボットのメンテナンスもしていて。マルチタスクすぎる!

ぐっちー:
亮のnote記事にも「ロボットのメンテナンスはすごく大事」って書いてましたね。

かっしー:
そう!僕は細かいメンテナンスとかあんまりしない方なので、そういうことを全然子どもたちに伝えてこなかったんですよ。でも亮たちは自分の経験から得た知見を次の子どもたちに伝えてくれている。こうやってみんなの知見が蓄積されて引き継がれていくと、コミュニティとしていいかたちになっていきますし、全体のレベルが上がっていくと思うんです。
他のメンバーもnote記事で自分ならではの観点を入れて書いてくれているので、ぜひ全員分を読んでもらいたいです。

こむこむ:
そういえば、中高生クルーにnoteを書いてもらう話ってどうやって決まったんでしたっけ?

ぐっちー:
キックオフの時、活動の様子を記事に残すのはどうかと軽く尋ねたら、祥平が「じゃあ俺がまず書く」と言ってくれました。それでその後みんな続いて。

かっしー:
結局ほぼ全員note記事を書いてくれましたよね。

ぐっちー:
あとインスタグラムの投稿も、美菜や百花が積極的にやってくれてましたね。

かっしー:
インスタ投稿の一発目、ロボコンの告知の投稿は百花がやってくれたんですが、一応VIVITA TOKATSUの公式アカウントなので最初は僕が投稿操作したんですよ。でもインスタの作法や上手な活用方法を全然知らなくて、完全に百花に手取り足取り教えてもらってました。僕もエンジニアなのでITリテラシーは低くはないと思ってるんですが、インスタとかTikTokとかSNS映え分野では彼女らの足元にも及ばなかったですね・・・。

こむこむ:
中高生クルーが投稿した記事はいつもより反応が多くて嫉妬していましたよ。(笑) 美菜の投稿なんて50件以上の「いいね」がついていて、VIVITA TOKATSUのインスタ投稿の中で最高ランクですよ。

かっしー:
ほえー、なんででしょうね。

ぐっちー:
思ったことを素直に書いているから、現場の雰囲気が伝わってくるっていうのはあると思いますね。

こむこむ:
あと「応援したくなる」というのがあるかも。

いよいよ大会当日!

かっしー:
では大会当日の振り返りをしましょう。

ぐっちー:
みんながそれぞれ自分の役割を全うしていて良かったですね。

かっしー:
いきなり締めに入らないで!!!
でもたしかに、すごく良かったと思います。実際、本番当日の子どもたちのスタッフとしての働きっぷりは全員ほぼ満点と言ってよかったですね。スタッフとして動くのは初めてのはずなのに完璧で。うーん、確かにあんまり語ることがないかも。

ぐっちー:
まず、円花のトークが良かったですよね。序盤にトラブルで配信が止まってしまい、しばらく競技が中断したんですが、円花がトークで場を完璧につないでくれて。

かっしー:
たしかに。円花はどうしてこんなにしゃべるの上手いんだろうと思ったんですが、話を聞くと実は学校で放送部員やっているらしくて。「放送部員なめんなよ」って言われました。(笑)

ぐっちー:
シナリオは一応用意してたけど、ただ読むんじゃなくてちゃんと自分の言葉にしてましたね。 だからとても自然に聞こえたし、アドリブ対応もできる。事前に出場者のみんなにヒアリングしてましたしね。

かっしー:
そうですね。円花だけでなく、友太も美菜もとてもマイク上手で。 大会後に泰蔵さん(VIVITAファウンダー)が絶賛してましたよ。

こむこむ:
美菜なんて、参加が2回目になる出場者の過去のロボットを動画で研究してましたよ。

かっしー:
本当に?すごくないですか?

こむこむ:
それに本番が終わった後にYoutubeで自分の実況マイクのところを見返して、反省点だらけだって言ってました。(笑)

かっしー:
分かります。僕なんて自分の声を聞くのが嫌すぎて、過去のロボコン動画あんまり見返したくないですし。

こむこむ:
参加者インタビューでの切り返し能力もすごかったですよね。 出場の感想を聞いたり、参加者をねぎらうコメントをしたり。出場前に「がんばって」って言うのがすごくいいなと思っていました。

かっしー:
そういうところも「VIVITA ROBOCON」が大事にしているものを汲み取ってくれているみたいでうれしいです。

ぐっちー:
かっしー、なんだかもう引退した人みたいですね。(笑)

かっしー:
もう俺は過去の人になりつつあるのかもしれない・・・。大袈裟に言うと弥彦に逆刃刀を渡した剣心の気持ち。
そして祥平の審判もすばらしかった。 僕はVIVITAロボコンの審判は今井さん(いつもVIVITA ROBOCONの審判をしてくれるVIVIWAREのエンジニア)でなくちゃだめだってずっと思っていて。他の人に審判をやらせることがとても不安だったんですが、今回は今井さんの都合がつかないので白羽の矢が祥平に立ちました。
でもいざ蓋をあけたら、祥平の審判っぷりは完璧で。

あとは裏方のみんな。今年の裏方は亮、隼介、陸、心、百花で回してくれました。地味かもしれないけど、裏方の技術サポートは毎回とても大変で重要なんですよ。今回も出場者控室は完全に戦場状態で。

ぐっちー:
ロボットの当日トラブルとかもありますし、電池やVIVIWAREのやりくりもありますしね。 陸が率先して動いてくれましたね。出場者控室の2Fとステージがある1Fを何度も往復して状況をよく見て出場者に声掛けしてくれて。特に裏方サポートはリハーサルしていないのに、それでも臨機応変に動けてみんなすごい。

かっしー:
多分、中高生たちはかつてのVIVITA ROBOCONで大人クルーが動いてる様子もしっかり見てくれていて、それで裏方の動き方やノウハウを自然に蓄積していたんだと思います。

ぐっちー:
ちょっと手前味噌すぎるとは思いますが(笑)、ひょっとしたらそういうのはあるかもしれませんね。

かっしー:
しかも彼ら、自分たちのロボットも秘密裏に開発していて、大トリのエキジビジョン枠で出場したんですよ。 初めての運営なのに、運営回しながらようやるなぁと思いながら見てました。(笑)

ぐっちー初のロボコン出場は...?

かっしー:
では、大人のロボ製作についても振り返りましょうか。 ぐっちーはロボコン初出場でしたよね。どうでした?

ぐっちー:
最初のギヤボックスを組み立てるのにとても苦労したんですよ。 この難関を乗り越えてロボットつくれるなんて、みんなめちゃくちゃ尊敬します。あと、あまりにもはんだが外れすぎて、自宅にはんだごて買ったんですよ。ワイヤストリッパーも。

かっしー:
いいですね。自宅ではんだづけやってたんですね。上達しましたか?

ぐっちー:
上手くなった気がします。

かっしー:
じゃあ今度見せてください。

ぐっちー:
えー、やだ。

かっしー:
なんでよ!!!!

こむこむ:
それと、ぐっちーの出場前のプレゼン、ギャルっぷりがとても良かったです。
あれはどうやって思いついたんですか?

ぐっちー:
ずっとギャルっぽくしたいとは考えていたんですよ。でもどうやったらギャルになれるか分からない・・・と思っていたら、前日のリハで出場者役をやってくれた心(中高生クルー)のプレゼンが最高のギャルっぷりだったので、参考にさせてもらいました。

かっしー:
心は完璧なギャルでした。(笑) あのギャルピースとかテンションMAXのポーズとか、その後VIVITAでちょっと流行りましたよ。

ぐっちー:
私、ギャルに憧れがあって。もともとの性格がネガティブなので、とにかくポジティブに元気なギャルになりたいなって常日頃から思っていたんです。

かっしー:
ちょっと分かる。何を隠そう、僕も超絶ネガティブで、毎日絶望していて・・・。

ぐっちー:
知ってるわ。

こむこむ:
じゃあ二人は根本のところでは似たもの同士なんじゃない?

ぐっちー:
えー、かっしーと一緒にされたくないです。(笑)

かっしー:
なんでよ!!!!

こむこむ:
そういえば、ぐっちーのロボ名は、最初は「ギャルになりたい」でしたよね。 いつの間にか「マテリアル☆ギャル」に変わってましたけど。

ぐっちー:
りんせいの「フォークリフトになりたい」とかぶると思って、名前変えました。

かっしー:
へー、気遣ってるんですね。

ぐっちー:
だめだ、全然ギャルになれてないですね。(笑)

かっしー:
気遣ったらギャルじゃないんだ・・・。(笑)

中高生クルーとの関わり方とロボコンの今後

かっしー:
では、そろそろ締めとして全体を振り返って一言もらいましょうか。 今回のロボコンは順風満帆でしたか?

ぐっちー:
いや、そうではなかったですね。

かっしー:
一番の反省点は?

ぐっちー:
どこまで中高生に任せていいのかが分からなかった。中高生”クルー”なので運営に主体的に関わってほしい反面、彼らは雇用関係にあるわけではないし学業を優先してほしいので、「〇〇をやってほしい」というお願いがしにくかったんです。

かっしー:
たしかに線引きは難しいですね。でも中高生クルーとおこなった反省会でも彼らは「もっと主体的に関わればよかった」と言ってくれていたので、任せるところをもっと増やしてもよかったかも。これは結果論だけど。

ぐっちー:
難しいですね。本番が終わっても分からないです。

かっしー:
そういえば、美菜が同時期に学校で文化祭実行委員をやっていて、同じような苦労をしていましたね。

ぐっちー:
私も中高大と、文化祭実行委員や委員会の委員長とかもやっていたので、気持ちが分かります。

かっしー:
ああ、そういうことか! ぐっちーはこういう取りまとめがソツなくできるなぁと思っていたけど、中学の頃から経験していたから素地があったんですね。

ぐっちー:
そうです。だから本質的にこういうことが好きなんですよね。
いろいろ文句も言ってるけど、好きだからやってる。

かっしー:
たしかに、好きな人が好きなポジションにつくのが理想ですよね。

かっしー:
今後のVIVITA ROBOCON、どうしていきましょうかね。

ぐっちー:
中高生大会、来年もまたやりたいなっていうのと、個人的には拠点のリーダー的な存在として、かっしーに「任せたよ」って言われる存在になりたいですね。

かっしー:
泣けますね。

ぐっちー:
どうぞ泣いてください。

かっしー:
・・・。

ぐっちー:
少し矛盾したことを言いいますが、まだ製作サポートには来てほしいんですよ。 それ以外の部分はもう自分たちでできる気がします。

こむこむ:
私はこれまでの柏の葉のロボコンを知っているけど、今年はずいぶんエンジニアに頼らずに運営できたと思いますよ!

かっしー:
はい。例年に比べてかなり楽でしたよ。でも今後ずっとこのメンバーの布陣では続けられないので(彼らも卒業していくので)、新しい人が入ったり育ったりする環境つくらないとですね。

ぐっちー:
学生クルーも戦力にならなくちゃと思います。テンプレロボをつくったことで割と理解できるようになりました。 中高生クルーがいない日は自分がなんとかしなくちゃという気持ちになってロボット製作の知識が増えたので、そこは良かったと思います。

こむこむ:
私は今年、プログラムを書く時間がとれませんでした。でも何回も挑戦していたらスキルがあがりますよね。

ぐっちー:
次は進化したギャルロボをお見せします!

かっしー:
とても楽しみです。

編集後記

かっしー:
今回の企画メンバーは2017-2018年に柏の葉でVIVITA ROBOCONを体験した当時の初期メンバーたちなんですが、本当に頼もしくなったなぁと感動すること多数でした。同時にぐっちーの超絶奮闘っぷりにも支えられたプロジェクトで、中高生たちのプロジェクトであると同時にぐっちーのプロジェクトでもあったことがこの対談で改めて認識されます。そして自分の中でもVIVITA ROBOCONに一区切りつけられそうという思いに浸れました。感慨深いプロジェクトになりました。

ぐっちー:
私は今回、初めてVIVITA ROBOCONに関わらせてもらいました。しかも中高生と一緒に企画・運営をするという前例のない試みで、悩み苦しみ、試行錯誤の連続でしたが、その「楽しいけどつらい!つらいけど楽しい!」みたいな気持ちが私をやる気にさせたのかもしれません。ひとつのことに対してこんなにも夢中になれたのは本当に久しぶりでした。VIVITAでインターンとして活動をし始めてから1年経ち、ようやく自分のポジションを見つけることができたような気がします。ロボコン運営めちゃくちゃ楽しい。 また、このプロジェクトを通して、大人子ども関係なくみんなで一緒に成長していけばいいということに気づくことができました。その気づきが一番の成長かもしれません。 改めて、このような機会をいただけて本当にうれしかったです。ありがとうございました。

こむこむ:
VIVITA ROBOCON in KASHIWANOHA 2022は、中高生クルーにとっても我々大人にとっても、忘れられない夏の思い出となりました😄 今回の子どもたち企画のロボコンを見てぜひ一緒に企画をしたいというメンバーがいたら、声をかけてもらえるとうれしいです!一緒にコミュニケーションをとりながらつくっていきましょう!