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VIVISTOP YAMAGUCHI まちの調査団 木工編 vol.1 開催レポート

こんにちは!VIVITAクルーの窪田です。私はいま、VIVISTOP YAMAGUCHIの活動をするため山口に滞在しています。

VIVISTOP YAMAGUCHIでは、「みんなでつくる!おためしタウン」と称し、山口市中心商店街でさまざまなイベントや企画をおこなっています。
その中のひとつに【 まちの調査団 】という、「このまちにどんな人/場所/素材/課題が眠っているのかを調査し、暮らしに新たな視点をもたらす 」ことを目的としたイベントシリーズがあり、今年の夏は"木"をテーマに、カッティングボードづくりのワークショップを実施しました。

今回は、そのときの様子をレポートします。

準備

今回のワークショップでは、作家活動の傍ら山口各所で木工のワークショップを開催している斎藤稜先生を講師にお招きし、企画段階からご一緒しました。

斎藤先生が普段おこなっているワークショップはお皿やスプーンを作るといったクラフトワークがメインなのですが、今回私たちはモノづくり+αで学びの要素もある企画にしたく、どうしたら素材の知識や木工の技術などを楽しく身につけることができるか、VIVISTOPのクルーでもある地域おこし協力隊 垂井美穂さんと2ヶ月間ほど話し合いを重ねました。

斎藤先生は、ブータンやボツワナで現地の方に木工の指導をしていた経験もあるため、先生からの非常に的確なアドバイスのもとワークショップの内容が段々とブラッシュアップされていきました。

ワークショップ当日

当日は下は8歳から上は60歳まで、幅広い層にご来場いただきました!

まずは木についての講義

ひと口に “木”といっても、さまざまな種類があり、それぞれの特徴があります。
自分が今日つくるボードは何の木なのか、はたまたどんな木が向いてるのか。ただつくるだけではなく、それらのことを皆さんと共有したい。
まずは実際の木工用品やいろんな種類の木材を用いて、おはなしの時間を設けました。

講義の内容を少し紹介しますと、木には"新建材"という工業用で使われるものと、"無垢の木"というそのままで使われるものがあります。

"新建材"は工業用製品の材料として使うことを目的に普及したもので、丸太をシート状にスライスして重ねて接着したり、木屑を樹脂で接着し固めるなど扱いやすく加工された状態の木を指します。これらを使う事でコストカットや効率化を図ることができます。

市場に出回っている一般的な家具などはこの新建材を用いて作られていることが多く、実際に自分の身の周りの家具等を見ていただくと大抵上記の図のうちのどれかで出来ている事が分かると思います。(表面に模様等のシート等が貼ってある場合は、見えないかもしれませんが...。)

そうした木材がある一方、キッチン用品などに関しては食品にふれるため、接着された木は使わず"無垢の状態の木"が用いられています。よって今回のワークショップでも無垢の木を使う、というわけです。

木の違いを知る

キッチン用品には無垢の木が良いということが分かったところで、今回つくるカッティングボードにはどんな木が向いているのでしょうか?

次はそれを探るべく、さまざまな種類の木を彫り比べました。
スギ、ナラ、ケヤキ、ヒノキ、ホウノキ・・・。

木によってまったく硬さが異なるなか、比較的彫りやすい木がありました。それは、ホウノキです。
ホオノキは柔らかく、質が均一で加工しやすく軽量であることから、建具、タンスの引き出し、額縁、ピアノの鍵盤、将棋の駒、太鼓のバチ、ラケット、漆器の木地、日本刀の鞘(さや)など幅広く用いられています。

と、いう事で今回はこのホウノキを使ってカッティングボードをつくります。

これはホウノキの葉。とても葉が大きいのが特徴で、日本の広葉樹の中で最大とのこと。ホウノキは北海道~九州に分布するモクレン科の落葉樹で、個体数はやや少ないですが山間の肥沃地に生じるそうです。 (参考:庭木図鑑 植木ペディア

カタチをきめよう

いよいよ製作に入りますが、その前にカッティングボードの大まかなカタチを決めます。

とにかく彫る!

その後は糸鋸で外形をカットし、とにかく彫っていきます。今回のカッティングボードは表面は平らに、裏面はウロコ状に彫りすすめていきました。

皆さんかなり集中して、どんどん理想のカタチにつくり上げていきます。

仕上げ

最後にやすりがけをして、オイルを塗り完成!

集中の甲斐あってか、それぞれの個性が光る、とても素敵なカッティングボードが爆誕しました。

まとめ

参加した方からは、

・木について知ることができました。木によって彫りやすさが全然違って驚きました。

・木で作られたものがどういう材料でできているか、考えて購入したい。

・お店の商品や作品を見るときに役立てたいです。

・久々のものづくりで、ものをつくる大変さ、楽しさに気付きました。大人になってからのものづくり、初めての木工の知識もとても楽しめました。

といった声をいただき、目指していた体験や活動ができたのではないかと思います。
ですがその一方で、体験を設計をしすぎたことにより予定調和の活動になってしまったのではないかという反省が残りました。

斎藤先生はワークショップをする際、堅苦しくならないようあえて資料は用意せず、そのときそのときで話す内容を変えライブ感を楽しむそうです。 次はそんな風にゆるくやってみるパターンも試してみたいと思いました。

これからもVIVISTOP YAMAGUCHIでは、自分の身の回りや、皆さんの生活に根付いたものづくりを目指し、さまざまな実験をしていきたいと考えています。
そして、それらの活動が自分の生活ないしは”まち”を変えることに繋がっていくといいな、と思っています。

VIVISTOP YAMAGUCHIでは、instagramにて活動日やイベントの情報を発信しています。本日ご紹介したワークショップ以外にも、ゆるく参加できるものなどいろんな活動をしていますので、ぜひお気軽に遊びにいらしてください!
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