はじめに
VIVIWARE株式会社の嶋田です。
昨年の11月から12月にかけて、埼玉県のふじみ野市にある施設ステラ・イーストを会場として、お化け屋敷をつくるプロジェクトが実施されました。
VIVIWARE社が本プロジェクトを支える技術としてVIVIWARE Cellの提供をおこない、使い方のサポートやそれらにまつわるモノづくりのお手伝いをしてきましたので、そのレポートをしたいと思います。
このプロジェクトについて
今回の活動は、ふじみ野市とそこに暮らす市民が主体となり、まちの文化施設(今回のイベント会場となったステラ・イースト)をどう活用していくかを検討する、大きな取り組みの中のひとつです。その活動を、周囲の企業や大学が協力するかたちで実現しています。
ふじみ野市とその市民以外では、KDDI総合研究所、専修大学(上平研)、VIVIWARE株式会社(敬称略)の3つが大きく関わっており、KDDI総合研究所は市民の主体的な活動の場を設計するための研究として、専修大学(上平研)も同様に「ともにデザインする」というテーマのなかの新しい試みのひとつとして、そしてVIVIWARE社はVIVIWARE Cellの活用拡大のお試しを目的として参加しました。
KDDI総合研究所が企画全体の取りまとめをおこない、専修大学(上平研)が企画および制作支援、VIVIWARE社が技術支援という役割分担です。
(多くのひとたちの関わりによって完成したプロジェクト)
活動について
今回のプロジェクトには、事前の公募によって5人の中学生が参加してくれました。
活動のゴールは、12月18日にステラ・イーストでおこなわれるアートフェスタで、みんなで製作したお化け屋敷をお披露目することです。
参加者はそれぞれ、一人ひとつずつ仕掛けを担当します。
活動は以下のとおり、全5回のスケジュールでおこなわれました。
1回目:説明会
2回目:VIVIWARE Cell体験会
3回目:手を動かしながらのアイディア出し
4回目:本番に向けた製作
5回目:アートフェスタでのお披露目
VIVIWARE Cellを使った活動が始まった2回目以降から、詳しくご紹介したいと思います。
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2回目:VIVIWARE Cell体験会
今回の取り組みで面白いなと思ったのは、活動自体は10:00 - 15:00という時間枠を用意しているものの、すべて参加しなければいけないわけではなく、参加者はそれぞれ好きな時間に参加するという点です。
したがって、普通のワークショップと違い全員を対象とした一斉のハンズオンのようなものはおこないませんでした。
各参加者は部屋に入ったらまず手元にVIVIWARE Cellを置き、ひとつひとつを触りながらどういうものか確認することから活動を始めます。
(触って遊ぶ)
まだアイデアが何もない参加者は、VIVIWARE Cellを触りながら何に使えそうかイメージをふくらませつつ遊び、その一方で、具体的に作りたいイメージを既に持っている参加者は、それを具体化するのに使えそうなVIVIWARE Cellを探して仕組みづくりの実験をしていました。
(仕組み部分をプロトタイプする)
次の活動が2週間後になってしまうということで、このイベント用のDiscord(テキスト・ボイス・ビデオチャットができるWebサービス)を開設しました。 何か気になることや分からないことがあれば、Discordでやり取りをします。
また、次回の活動に向けてよりイメージをかためるべく、個々に調べ物を宿題として2回目の活動は終了となりました。
3回目:手を動かしながらのアイディア出し
3回目はより具体的にアイディアを考えていく作業です。
というわけでVIVIWARE Cellのみならず、VIVIWARE Cellと組み合わせて使えるちょっとした材料を用意し、それらと組み合わせて簡易的なプロトタイプをつくります。
プロトタイピングすることで、アイディアをより膨らませたり、違う方向に方針転換したりと、ただただ頭の中で考えるよりもアイデアが洗練されていきます。
(プロトタイプのために用意された材料)
(企画サポートの大学生も一緒にモノづくり)
(お化け屋敷のために空間をどう作るか相談中)
この日で参加者は概ね作るものの方針が決まり、次の最後の製作日に向けて、個々に必要な材料等を準備することになりました。
4回目:本番に向けた製作
ここから一気に、完成へ向けて作る活動に入ります。
しかし、大きいものや重いものを思い通りに動かすというのはいろいろと困難を伴うものです。参加者はそれぞれ苦労しながら、なんとかかたちにしていきます。
(バランスの悪い板をどうやって平行に支えるか)
私はこの「恐怖の看護師さん」製作のお手伝いをしたのですが、部屋にある材料では足りなくなり、すぐ近くのショッピングモールまで使えるものがないか一緒に探しにいきました。 こうした経験を通して「特別な材料ではなくてもモノづくり(プロトタイプ)はできる」ということを少しでも感じてくれればよいなと思います。
(恐怖の看護師...すでに怖い)
(タイヤの代用品として100円均一でみつけたもの)
番外:前日準備
部屋の中はパーティションを立てて仕切り、部屋全体にカーテンをかけて暗室にします。
そして、ふじみ野市(地域)と関連付けた背景ストーリーを付けて完成となりました。
地域性のあるストーリーをつけることで、お客さんもより楽しむことができます。
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5回目:アートフェスタでのお披露目
当日は多くのお客さんに来場していただき、大盛り上がり!
なんと、ふじみ野市長にも体験してもらいました!
(お化け屋敷の前にお客さんがいっぱい)
(市長もニッコリ)
(中の様子、その1)
(中の様子、その2)
(体験したお客さんからの感想を付箋に)
さいごに
いつもそうなのですが、始まるときは「ちゃんと完成するかな?」と内心ドキドキししてしまいます。 でも最終的には我々の予想を超える面白いものが生まれていて、周囲の大人たちが勝手に子どもたちのモノづくりのハードルの想定を上げてしまっているんだなと反省しているところです。
今回のプロジェクトにおいてVIVIWARE社は、企画やファシリテーションには直接関わらず、技術支援というかたちで参画しました。
このような体制でのご協力も可能ですので、VIVIWARE Cellを活用したプロトタイピングの活動にご興味にある方は、ぜひお声がけください!