はじめまして、VIVITAインターンのぐっちーです。
2022年12月18日、一般社団法人世界ゆるスポーツ協会主催の「ご当地ゆるスポーツアワード2022」に出場しました!VIVIWARE Cellを使った新しいスポーツを開発して応募したところ、なんとグランプリを受賞しました。今回は製作開始から大会当日までの約1ヶ月半を振り返ります。
ご当地ゆるスポーツアワードとは
「ご当地ゆるスポーツアワード」は全国各地の地域の魅力が伝わる「ゆるスポーツ」を開発し、プレゼンする大会です。2019年に初開催され、2回目となる今回はオンラインでの開催となりました。
世界ゆるスポーツ協会による大会レポートはこちら。 yurusports.com
応募のきっかけ
私は大学で「誰でも楽しめるスポーツデザイン」というテーマで研究をしています。これまでにいくつかの新たなスポーツを開発してきました。
ところが、卒業研究最終発表会が2ヶ月後に迫った2022年の秋、どうしようもないスランプに陥りました。何一つアイデアが浮かばないのです。そんな時に「ご当地ゆるスポーツアワード2022」の存在を知り、スポーツのモチーフをご当地ものにするという素晴らしいヒントを得ました。
私の住む地域のご当地ものはなんだろう?といろいろ検討している中で、ある日、千葉県柏市の「小かぶ」に出会いました。そう、千葉県柏市の小かぶの生産量は日本一なのです!
VIVIWAREを使ったスポーツをつくろう
近年、テクノロジーをスポーツに活用する「スポーツテック」がスポーツ業界で流行っています。スポーツテックで新しい競技を開発する、そんな団体もいくつかあります。
そのような競技は目新しく、幅広い世代がプレイできるという優れた点がある一方で、使われている技術があまりにも高度で、気軽さに欠けるという課題があると感じました。そこで私は、誰でも気軽に扱えるVIVIWAREを使ってスポーツをつくることを考えました。
まず初めに思いついたのは、「だるまさんがころんだ」をプレイしながら小かぶを収穫するという競技でした。かぶの中にVIVIWARE Cellを入れ、収穫したら光ったり、音が出るような仕組みにしたらよさそう。そんなことを思いながら開発を進めました。かぶは空カプセルとフェルトで、収穫箱はMDFと排水口の蓋を使って製作しました。
なかなかいい感じ!いざ実際にプレイしてみよう!
・・・
全然面白くない・・・。
収穫のその先へ、「今夜はかぶディナー」の誕生
あまりの面白くなさに行き詰まり、VIVIWAREの”かっしー”と”たおたお”に相談することにしました。「収穫という動作自体は悪くないし、つくったものも活かしたい。でもそれだけではつまらない。収穫の後の工程を考えた方がよいのでは・・・?」という案が浮上。他にもさまざまな案が出ましたが、かぶを収穫して、料理をつくって提供するまでの流れを競技にすることにしました。
そして、ふと気づきました。「かぶ料理ってどんなものがあるのかあまり知らない・・・。」「だからこそ競技にして、プレイしたらその日の夕食にかぶを食べてみたくなる、そんなことができればご当地のかぶの普及にもつながるかも!」全てがつながった瞬間でした。
かぶ料理が書かれているレシピカードを引き、かぶを収穫して土を落とし、調理器具を使ってレシピの通りに調理をする。制限時間以内に何品のかぶ料理ができるかを競う。
その名も「今夜はかぶディナー 〜柏の小かぶで産直クッキング〜」です!
調理器具にVIVIWARE Cellを付け、包丁で切る、胡椒をひくなど調理の動作をしたら回数がカウントされ、規定の回数を超えたら次のステップに進める、という仕組みを考えました。”スポーツ”にするために、回数はある程度負荷がかかるように設定しました。
まさかの予選通過
この大会には予選と本選があり、予選を通過した5チームが12月18日におこなわれる本選に出場できます。予選はWebフォームによる書類審査と、開発したスポーツの実践動画の提出です。動画はVIVITAクルーの”こむこむ”と”やなじゅん”に出演してもらいました。
「応募することに意義がある!」そう思っていた私は応募できたことに満足し、審査結果発表までの10日間、のんびり過ごしていました。 ところが審査結果発表当日、スマートフォンを開いて目を疑いました。なんと、予選通過のメールが届いたのです!
迷走する日々
ここまで来たからにはグランプリを獲るしかありません。この大会は予選から本選までの間にルールを変更することが認められており、ありがたいことにゆるスポーツ協会からこのようなアドバイスをいただきました。
「スポーツと言うよりはゲームの要素が強い、と思われます。身体活動を意識するようなルールをいれることでよりスポーツらしさがでて、より良くなると思われます。またスポーツらしさ、という点もなるべくカブというテーマに沿った動きが望ましく思われます。」
アドバイスをいただいたからには無視するわけにはいきません。もっとスポーツっぽくするためにはどうしたらいいだろう?途中でダンスを入れる?かぶというテーマに沿った動きって何?種を蒔いたり、土を耕す動作を入れる?かぶを見たくなくなるほど、毎日かぶのことを考えていました。
協力してくれているかっしーとたおたおに何度も相談をした結果、調理動作を増やす、1vs1のバトル形式にする、後行の人にハンデをつけるというルール変更をすることにしました。 本選用にプレイ動画も撮り直しました。子どもから高齢者まで、幅広い世代に楽しんでもらえることをアピールするために、祖母と幼い従兄弟たちにも出演してもらいました。
実際のプレイ動画はこちら! youtu.be
いよいよ本選
本選はオンラインで10分間のプレゼンテーション形式でおこなわれました。5つの出場チームのうち、私は3番目、ちょうど真ん中でした。1.2番目のチームの熱量のあるプレゼンテーション、審査員の方々の鋭い講評。発表直前、私は手が震えるほど緊張していました。
多くの人に協力してもらって完成した競技。「賞は獲れなくてもいいから、手伝ってくれたみんなの想いものせてこの競技を最大限にアピールしてこよう!」そんな気持ちで発表に臨みました。持ち前の本番の強さが発揮され、プレゼンは大成功しました。
全てのチームのプレゼンテーションが終わり、いよいよ結果発表。この大会は「グランプリ」「準グランプリ」、「審査員特別賞」の3つの賞が用意されています。2つの賞が発表され、残りは「グランプリ」のみとなりました。どのチームもプレゼンを聞いていて魅力的な競技ばかりで、「この時点で呼ばれていないのであればもうダメだ。」と半ば諦めていました。
「グランプリは、今夜はかぶディナーです!」
発表された瞬間、思わず叫びそうになりました。
審査員の方から「ご当地・ゆる・スポーツの3点を完全に全て満たしていた」という最高の評価をいただけたことがなによりの喜びでした。
おわりに
製作開始から大会当日まであっという間の約1ヶ月半でした。思うように製作が進まず、悩み苦しむこともありましたが、挑戦してよかったと心から思っています。
グランプリという素晴らしい賞をいただきましたが、ここがゴールではありません。今後は「今夜はかぶディナー」をより多くの人に楽しんでいただけるよう、ルールのブラッシュアップと競技の普及活動をしていくと同時に、新たな競技の開発にも取り組んでいきたいです。
もし、VIVIWAREを使ってスポーツをつくりたいという方がいらっしゃいましたら一緒に活動しましょう!
開発に協力してくださった皆様、応援してくださった皆様、本当にありがとうございました!