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VIVIWAREを使ったお化け屋敷が神戸で開催されます!

こんにちは、VIVIWAREのアートエンジニア、うねうねです!

今回は、今年の2月〜3月の期間に神戸の子どもたちと作った、恐怖のお化け屋敷作りについてご紹介しようと思います!👻

VIVIWAREを使ってお化け屋敷をつくろう!

 

このお化け屋敷は、兵庫県神戸市にあるデザイン・クリエイティブセンター神戸、通称「KIITO(キイト)」に作りました。

「KIITO」という不思議な名前の由来は、もともとこの建物が戦後に生糸検査場として使われていたことから「生糸」→「KIITO」になったそうです。 そんな歴史的にも価値のある建物からヒントをもらってアイデアを考え、子どもたちが仕掛けや装飾を作っていきました!

 

ワークショップの流れ

お化け屋敷の製作ワークショップは全8回でおこない、
子どもたちの「怖い」を分析「怖い」からストーリーを考える会場を作る仕掛けを作るお化け屋敷を組み立てるお披露目
という流れでワークショップを進めました。

怖いの分析

初回は、暗い部屋のなかで子どもたちが用意してきたとっておきの怪談話を百物語風に一人ずつ発表しあい、どうしてその話や体験が怖かったのかをそれぞれ細かく分析しました。

「この部分が怖い要素で、この部分がなかったら怖くなかった!」など、子どもたちの色々な「怖い」の発見につながりました。その意見を班ごとに分かれてディスカッションし、各班ごとにも違った「怖い」のあり方や見せ方が出てきました。

室内に漂う雰囲気で怖さを演出したいチームやはっきりと具現化された怖さを演出したいチームなど、自分の怖い話をもとに大人の予想を上回るアイデアが飛び交いました。

私の怖い体験

ちなみに、皆さんは怖い体験をしたことはありますか?
私は、誰も居ない一人の家で勝手に大音量でテレビがついたことがあり、リモコンも目の前にあるしどう考えてもつく状態ではないのになぜ…!?という体験をし、結局「???」しか残らず、見えない何者かが操作したのか?などと考えてしまい、今でも恐怖です。

なにが怖いのかを考えるとき、そういう得体のしれない現象は自分の想像力が働く限り広がっていくので、一番怖い気もします。

さて、私の怖い体験?はさておき・・・。

おばけ屋敷のストーリーを考える

子どもたちの個別のアイデアを1つのストーリーに組み立てるため、弊社のダークネスエンジニア兼ダークネスシナリオライター(仮)のカッシーが一肌脱ぎました!KIITOが生糸検査場だった頃の誰も知らないもう一つの歴史・・・。

様々な陰謀渦巻く情勢の中に巻き込まれてしまったある1組の親子の物語を見事に書き下ろしてくれました。子どもたちと何度も何度もディスカッションを重ね、みんなが納得いくストーリーが仕上がりました。

おばけ屋敷作りで大切なことは?

お化け屋敷を作るには、ただ怖い装いをしたお化けが出てくればいいというものではなく、世界観やストーリー、室内の装飾や雰囲気、音響や順路や仕掛けが出てくるタイミングなど様々な要素が複雑に絡み合って、初めてお客さんに怖いと思ってもらえます。

そして、お化け屋敷を作る上で一番大切なこととして意識していたのが、来てくれたお客さんに「楽しんでもらう」ために驚かす・怖がらせるということです。一見矛盾しているようにも思えますが、ただ不快にさせたり、悪意をもって攻撃まがいな驚かし方をしても誰も喜んでくれません。

お化け屋敷から出てきたお客さんに「怖かったけど、面白かったね!」「もう一回入りたい!」と言ってもらえるような内容にしようとみんなで最初に約束しました。子どもたちは常にそれを意識しながら、どうやったらお客さんに「怖がる」ということを楽しんでもらえるのかを一生懸命考えました。

自分が作ったもので誰かを喜ばせたいという気持ちはモノづくりをする上で一番大切な部分であると私は思うので、おばけ屋敷って子どもたちにモノづくりの在り方を学んでもらうには、もってこいのコンテンツだなあと感じました。

建築の基礎を学ぶ

さあ、ここからお化け屋敷の仕掛け製作に取り掛かるぞ!と言いたいところですが、まだ早いのです! 私達は空間や構造物の中に仕掛けを組み立てていくわけなので、お客さんの目線を意識しながら怖い雰囲気作りや安全で安心の仕掛け作りをせねばなりません。

そこで、今回会場構成を担当していただいた、建築家の西山広志さん(NO ARCHITECTS)を講師に迎え、建築の基礎知識や図面の作り方、高さ・広さなどスケール感を身につけるため紙で立体図面と人型模型を作ったりするミニワークをおこない、立体的なモノの見方や考え方を伝授してもらいました。

会場を作る

机に向かって図面上の作業だけをするのではなく、実際に使用する会場にグリッドを引いて部屋の広さを確認したり、原寸サイズのモノを置いてみたり・・・と机の上の作業と現場の作業を行き来しながら構想を練りました。

回を重ねるごとに会場内に柱や壁が建てられていく様子も、普段であればなかなか見ることができない風景なので、子どもたちにとっては刺激的だったのではないでしょうか?

仕掛けを作る

そして、ここからはいよいよ子どもたちがチームに分かれて各部屋の構想をかたちにしていくターンです。

VIVIWAREを使って様々な仕掛けを作っていきます。VIVIWAREは多種多様なセンサーやリモコンでロボットを動かしたりするなどの遠隔操作が得意なので、なにがどうなってるの!?というような仕掛けが会場内にたくさん出来ました。

大人と協力して、インパクトドライバーなどを使って木材でかたちを作ったり、3Dプリンターでパーツを作り生糸検査所時代に使われていた検査器具などと合体させたりと、普段ならあまり一人ではできないようなモノ作り体験ができました。初めて3Dプリンターを見る子どももいたので、かたちが出来上がっていくところにも興味津々でした!

また、守護神ことハードウェアエンジニアの前田くんは昭和時代に実際に使われていた、ブラウン管テレビや昔懐かしの黒電話などを見事にハックしてお化け屋敷の重要なアイテムのひとつとして仕上げてくれましたが、それはまた別の機会にご紹介しますね!

子どもたちの「やりたい」がかたちに

子どもたちが考えた仕掛けは、始めの構想から上手く形に出来ることもあれば、なかなか再現できず落ち込んでしまうこともありました。子どもたち一人ひとりの思いやこだわりが詰まったストーリーやアイデアです。

どうにか実現したい!させてあげたい!サポートする大人も一緒になって考えて、課題や原因と向き合い、お互いの知識や経験から解決策を見つけ、やっとの思いでみんなの「やりたい」がかたちになりました。

保護者の皆さんに向けて発表

ワークショップの最終日には、今までの活動の発表と実際子どもたちが中に入ってお化け屋敷を運営し、保護者の方々に体験していただきました。

保護者の皆さんは、おうちで内容を聞いたり、製作の様子を見ていた人もいれば、「楽しみにしていて!」と頑なにどんな活動をしているのか教えてもらえなかった人など様々でしたが、子どもたちが作ったお化け屋敷を実際に見て完成度に驚いた様子でした。

子どもたちも手応えバッチリで、満足した様子でニコニコ笑顔で帰っていったのが印象的でした。頑張ったもんね〜!

「みんなで作る」ことの意味

最初は、学年も学校も向いている方向もバラバラだった子どもたちでしたが、後半に進むにつれて心情や行動の変化を感じることができました。

それは、他の人に自分の考えを伝えて理解してもらうときの姿勢の変化でした。子どもたちには毎回、その日の活動の振り返りと他の班との進捗共有をおこなってもらいました。これは、全体の作業進捗を確認するだけでなく、今困っている事に対してすぐに声を上げやすくするためでもありました。

なぜなら、一人では実現できなかったことが、誰かと協力して作ることで実現できる可能性が生まれたり、より良いモノへ進化することがあるからです。そこには必ず、誰かに自分の考えを伝えて理解してもらうという工程が必要になります。

自分が声を上げなければ気付かれなかった問題があったかもしれないし、その場にいた誰かが欠けていたら生まれなかったアイデアもあったかもしれません。

最初は、ただ自分が作りたいものを自分で作るという考え方だった子どもたちも、少しずつ「みんなで作ること」の意味を理解して、誰かの意見を尊重したり、自分のアイデアで困っている仲間を助けたりする関係性が出来上がっていきました。

この経験から子どもたちの考え方に変化が生じたことが、私にとって一番このワークショップをおこなった意味があったと感じています。

さあ、これ以上振り返ると勢い余ってネタバレしてしまいそうなので(笑)あまり内容をお話することはできないのですが、これだけは言えます。

それは、子どもが作ったとは思えないレベルのお化け屋敷が仕上がっているということです!!

現役のエンジニアや建築家、アーティストなど、プロの大人たちが全力でサポートしていることもありますが、とにかく子どもたちの来てくれた人に怖がって帰ってもらいたい!という熱量が凄まじいのです!

みなさん、もちろん気になりますよねぇ…

そんな子どもたちがたくさんの時間と想いを込めて作ったお化け屋敷。みなさん、気になって、気になって、仕方ないですよねぇ・・・。

なななんと!このGWの4日間に限定公開されるんです!
製作者である子どもたちが実際にお化け屋敷を運営しますよ!

せっかくなので、ここまで読んでくれた方にこのお化け屋敷の背景にもなった「とある新聞記事」をお見せしちゃいます!

KIITOがまだ生糸検査所だった頃、なんだか不穏な事故が起こったようですね・・・。
KIITOの建物内で相次ぐ怪しい怪奇現象ともなにか繋がりがあるのでしょうか・・・?

最恐の恐怖をあなたに・・・!

開かずの会議室に秘められた不可解な謎を解き明かすためにも、今年のGWは是非KIITOに足を運んでみてくださいね!

皆さんを最恐の恐怖がお待ちしています・・・!!

詳細はこちらから kiito.jp

※ご来場の際には、マスク着用と手指消毒にご協力の上、体調の優れない方はご入場をお控えください。