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同志社女子大で、ティンカリング&プロトタイピングにチャレンジ!

こんにちは!VIVIWAREの山内です。

テクノロジーツール、プログラミング、ロボット、ものづくり・・・VIVIWAREが使われる場面でも耳にするこれらの言葉は、なんとなく男性的もしくは理工学的なイメージを連想されてしまうことも少なくないようです。

でもでも、VIVIWARE Cellはそれだけじゃない!

プログラミング教育のためのツールでもないし、ロボットをつくる専用のツールでもありません。誰しもが「つくる」楽しさを味わえる道具なのです。今回はそんなイメージを体現したかのような、工学系でも理学系でもない女子大でのVIVIWARE Cellを使った授業実践レポートです!

はじまりはちょっとしたことから

はじまりは、2023年の春。京都府京田辺市にある同志社女子大学 現代社会学部現代こども学科の授業に、山内がゲストスピーカーとして招聘いただきました。その授業ではVIVIWAREを使うことはなかったのですが、授業後に授業を担当する吉永先生が、受講生の3年生との交流会を開いてくださったのです。

その際にたまたま持っていた「VIVIWARE Cell」をちょっと紹介したら・・・

「めっちゃ面白い〜〜!!!」

この体験から、吉永先生より、「秋学期に控える2年生の必修科目「教育の方法と技術(情報機器及び教材の活用を含む。)」でVIVIWAREをやってみたい!」との提案をいただきました。

この授業は科目名に副題的に記されているように、教育現場でのICT活用を学ぶことも目的のひとつです。VIVIWARE Cellを通じて、学び・考える。この科目にぴったりな道具です。

そして、この日受講し、たまたまVIVIWAREを体験してくれた3年生たちはSA(スチューデントアシスタント)と呼ばれる学生たち。

秋学期の該当授業では、SAがサポートするのみならず、VIVIWARE Cellをつかった授業のデザインもしてみよう!そんな取り組みに発展したのでした。

VIVIWARE Tinkering & Prototyping

SAと授業をつくるにあたって、「まずは自分たちがVIVIWARE Cell」で遊ばないとね!と、8月に”VIVIWARE Tinkering”を開催!

Tinkering(ティンカリング)とは、家財道具を修理してまわった流しの修理屋(ティンカー)を語源に持つ言葉で、さまざまな素材や道具、機械を「いじくりまわす」こと。デザインセンスや問題解決の力を高めることができる手法として近年注目されており、同志社女子大の学びの中でもキーワードとして、学生にとっても耳馴染みのある言葉でした。

夏休みにも関わらず集まってくれたSAと先生方、関係者の方々と一緒にVIVIWARE Cellで遊び尽くしました。

いじくりまわす中で、湧き上がってくるアイデアを一旦カタチにしてみる”Prototyping(プロトタイピング)”。この日も様々なアイデアがカタチになり、Tinkering と Prototyping、この両方をテクノロジー(ICT機器)をつかって、学生が価値と面白さを体感できる、その機会が創出できる手応えを感じたのでした。

授業の準備をしよう!

夏のVIVIWARE Tinkeringに参加してくれたSAを中心に、全14名いる他のSAにも、VIVIWARE Cellに触れる機会をつくりながら、具体的な授業の内容をオンラインで検討していきました。

「どうやって授業にしたらいいのだろう?」
「ちゃんと2年生に教えられるの?」
「何から説明したらいいのだろう?」

SAにとっても初めてのツール、不安や心配がつきまといます。

VIVIWARE Cellの全てを知ることはできません。それはVIVIWAREスタッフであってもできないように思います。SAが知っておくのはスムーズにツールを手渡せる最低限でOK。大切なのは、一緒に考えること、一緒に悩むこと。

VIVIWARE社もオンラインでフォローアップしながら、使い方とともにマインドセットも共有し、12月の授業本番を迎えました。

授業、1回目!

VIVIWARE山内、西山もゲストに呼んでいただき実施した、大学2年生100名を対象にした「教育の方法と技術」。VIVIWAREをつかった1回目の授業です。

初回はVIVIWARE山内がメインファシリテーターとなり、大学2年生に向けて「プロトタイピング」や「つくること」の価値を問いながら、実際に手を動かして考えてもらいました。

最初のお題は、「触れると、しゃべる。」

VIVIWARE Cell Plusのアプリ操作を、このテーマに沿ってつくりながら獲得していきます。 SAのフォローもあって、スムーズに使い方を獲得していく学生たち。

第一回目の授業のメインのお題は「めっちゃきれいに、めっちゃおもろく、ひかる」

VIVIWARE Cell を使った「音」「光」と、授業会場にある紙、レゴブロック、テープなどの材料を組み合わせて、学生たちはグループ制作に取り組みました。SAも各グループの学生たちと一緒になって面白がりながらアイデアを出したり、手を動かしたり、VIVIWAREの技術的なサポートをしたりと大活躍!

笑顔と真剣な表情が交差する時間が生まれ、SAからも

「『めっちゃきれいに、めっちゃおもろくひかる』っていうお題だけで、こんなにもいろんな作品が出来上がるなんて想像してなかった!」

「自分たちを取り巻く環境にモノがたくさんあれば、アイデアは広がるけど、そのモノたちが多ければ多いほど良いわけではないことに気づいた!結局は自分たちの理想を現実化するために、何を使えばいいかと試行錯誤することが大切!やから、モノの多さが逆に発想を邪魔してしまうこともあるんちゃうかな?って感じた!」

「誰とやるかも大事やな~。いつもと違うメンバーとだからこそ生まれたコミュニケーションや発想があったと思う!」

という感想が寄せられました。

2回目の授業の準備をしよう!

1回目の授業の様子を受けて、2回目に向けた作戦会議をおこないました。1回目はVIVIWARE山内がメインファシリテーターとして立ち振る舞いましたが、2回目は完全にSAのみで授業を実施します。

「テーマはどうする?」
「関西らしく、“笑い”でいこうか?」
「どんな材料があったらいい?」

SAチームの検討が進み、翌週に控える本番を迎えます!

授業、2回目!

2回目の授業のメインは、「VIVIWAREを活用しながら、お題にチャレンジ」と、「面白さを残そう」でした。動作(~すると)、対象(~が)、結果(~なる)という3つのお題を引き、そのお題にそった作品をグループごとに作りました。また、VIVIWARE Cellの面白さが1番伝わる動画を撮影し、グループで共有し合いました。  

【SAの感想】

「お題に近づけるために、モノとVIVIWAREを組み合わせることに意識がいきがちやけど、モノだけじゃなくて空間をどう使うかも重要!」

「当日にお題が決まることに対して不安もあったけど、だからこそ受講生もSAも同じ目線で考えることができたと思う」

「同じお題でもグループごとで表現の方法が違うから面白い!」

「2回生の自由な発想を引き出せるような声かけをするのが難しかった」

「自分の学年以外の学生の前で初めてスクライビングをして、『上手にかけるかな?ちゃんとまとめられるかな?』といった気持ちが一瞬頭をよぎったけど、受講生の活動を自分の言葉や絵を用いてまとめることができてよかった!かくことに集中するあまり、受講生たちとコミュニケーションを取ることができず、受講生たちの作品から、どこを工夫したのか、どのような思いを持って活動に取り組んだのかを、もっと聞くことができればよかったと振り返った今悔いが残る!」

授業を終えて

これまでの取り組みを振り返って、担当の同志社女子大学准教授の吉永先生に改めてVIVIWAREを活用した効果を伺ってみました。


今回、山内さん、西山さんのお力をお借りして、受講者、SAと思いっきりVIVIWARE Cellを使ったプロトタイピングの魅力と可能性を体験的に学ぶ、という夢がかないました。現代こども学科では「outputすることを学びの一歩」と考えて授業でも学生自身が表現したり発信したりする機会をたくさんつくってきました。ともすると、inputをたくさんしてからでないとoutputできないと思いがちで、しかもそのoutputも「ちゃんとした形」や「完成したもの」にしてからでないとダメだと思い込んでいるところがあります。

しかし、今回のプロトタイピングでは、その名の通り「試作」を、「あーでもない、こーでもない」と、仲間とともに手と頭とを動かしながら表現することができる体験を提供していただきました。同じく現代こども学科では「まずやってみよう!」スピリットを特にたいせつにしてきました。まさにVIVIWARE Cellは、いま思いついたこと、ひらめいたことを形にしてみたり、「考え」というまとまった輪郭がはっきりしていないからこそ、目の前にあるツールをいじくりまわしているうちに、気がついたら、おもしろいことが生み出すことができたり、うってつけの機会でした。

作品が「途中まで」の状態でoutputしても、その試作で仲間があそんでみると、「そうだ!いいこと、思いついた!もっとこうやったらおもしろくなるかも…」と、自己内対話や他者との対話が次々とあふれていくのです。「試作」や完成の手前の状態ゆえに、相手の反応も、自分のやってみたい!を実現していく上でとても貴重な手がかりになるのでしょう。

このように考えると、今回の取り組みは、現代こども学科がたいせつにしてきたこと、その重要性を、受講者・SA・教員があらためて再発見・再認識する機会でもありましたし、「学ぶ」ということに対する私たちの先入観や固定観念をゆさぶる力をもった、非常にチャレンジングでプレイフルなプロジェクトになりました。受講者のおおくは今年度の終わりから来年度にかけて教育実習や保育実習に臨みますし、課外活動で子どもたちとかかわる機会も多くありますので、今回のティンカリング&プロトタイピングを体験したからこそ味わった「つくる」楽しさを、「そうだ!いいこと、思いついた!」をおもしろがる精神を、ここではないどこかの文脈でも追究していってほしいと願っています。


吉永先生、ありがとうございました!!

VIVIWAREは、年齢も性別も超えて、誰しもが「つくる」楽しさを味わえる道具なのです。同志社女子大×VIVIWAREの取り組みはこれからも展開していく予定です!