VIVITAの新居です。
今回も3Dプリンタで印刷してみました。
プラレールのポイント切り替えレールをラジコン用サーボで制御するための部品です。
なんで作ることにしたかというと、、、
すでにVIVITAではVIVIPARTS*1と呼ばれる、子供向けのロボット制御のためのシステムを提供しています。このシステムでプラレールの制御をおこなったら面白いのではと思って実験を開始しました。
市販のものはありませんので、動作確認をしながら、数回印刷して、使えるようなものにしてみましたので その様子をお伝えします。
注意: これは幼児用に設計していませんし、安全性の評価もおこなっていません。そのため、読んだ方が作った場合には、各自ご注意下さい。
ポイントの付いているレールは各種有りますが、 今回は「ターンアウトレールの切り替えをラジコン用サーボでおこなう」ことを目標にしました。
- レール自体に加工はしない
- レールへの取付に粘着物を使わない
- レールがなるべく浮かないように、レールの下側の機構を薄く
- レールの両面共に使うことが可能
この条件を守るようにしました。
ラジコン用サーボは秋月電子*2で販売されている安価な種類から、500円のSG-92R*3を使うことにしました。 3DプリンタはUltimaker2go*4という機種を使いました。 薄く印刷したものの強度が必要だったので素材はPLA*5を使いました。
はじめに
最初はラジコン用サーボモータをレールの横に付ければなにか出来るだろうと設計した試作版です。印刷時間は30分ほどで済みました。(予想していたより短かった)
まずは「部品について」図中手前の部品から説明します。
プラレールのフチは1.5mm程度だったため、溝を1.6mmにしたところ、綺麗にハマる形状になりました。
ポイント押さえ
次に「部品について」図中の一番奥のレールの分岐押さえについてです。長さを変えて、サーボからの動きでうまくレールを押さえながら動く長さに調整しました。
サーボの回転をどのように直線運動に変換するか?
仮固定版
「部品について」図中、真ん中の棒について説明します。これはとりあえずタダの棒です。サーボでどうやって操作するか検討するための試作です。最初はサーボホーン*6をニッパで加工して接触できないかこころみたのですがうまくいきません。どうにかして サーボで動かすために、ゴムを使って押さえてみました。 サーボホーンとレールの間にちょうど良い厚みのゴムを挟んでみました。この状態で動くことを確認。
完成版
必要なトルクや動作距離などが把握できたので、
ゴムをギアに置き換えて作った完成版です。
設計したstlファイルはこのようになりました。 Point rail arms for R/C servo SG-92R by hnii - Thingiverse
部品はこんな感じになります。
サーボホーン側のギアは3Dプリンタで作れなかったので、
ミニ4駆に使われている12Tのピニオンギアを使いました。
動作確認
サーボの出力角度で換算すると、0度、90度に動いたときに 分岐が切り替わります。
動作している様子はこんな感じです。
実際に3才の子供のプラレール遊びをしているところにこのユニットをつないでみました。 ですが、直接指で自分の好きな方向に変えてしまうため、簡単にジョイントが壊れてしまいました。
まとめ
実際に使用するためには、もっと丈夫につくる必要がありそうです。でも30分程度で印刷できるのも良さそうなので、今後の方針を決めて、改良したいです。
さて、VIVITAではいろいろな人を募集しています。詳しくはこのリンクをご覧下さい。 recruit.jobcan.jp
*1:弊社で開発している電子回路モジュールキット VIVITAロボコンを支える技術 - VIVITABLOG
*2:秋葉原で有名な個人向け部品販売店 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
*3:寸法: 23x12.2x27mm マイクロサーボ SG92R: パーツ一般 秋月電子通商-電子部品・ネット通販
*4:VIVITAのオフィスにたまたま置いてあった機種、特徴は小さいこと! BRULÉ Japan - Ultimaker 2 Go
*5:ABSと比較するとちょっともろいが堅い
*6:出力軸につけるプラスチック製アダプタ http://www.rc.futaba.co.jp/assist/parts05/index.html
*7:この映像ではOBNIZ https://obniz.io/ で距離センサからの値でポイントを制御しています