こんにちは。管理部の窪田です。
私はVIVITA ARTISANという「大人と子どもたちがクリエイターと共創しながら自分たちのアイデアを具現化し、生産や流通の新しい在り方を探究する。」という活動に参加しています。
ARTISANとは職人という意味で、この活動ではモノづくりの歴史や科学に触れながら、先人たちの技と知恵を知り、プロダクトやデザインは何のためにあるのか役割や意味を再定義・再発明し、価値あるプロダクトアウトを目指しています。
去年、VIVITA ARTISANのプロジェクトのひとつ「CLOTHES PROJECT」に参加したのですが
その中で私たちが感じたのは、活動の結果おもしろいものは産まれたものの、結局大量生産・大量廃棄のサイクルの中にいることに変わりなく、だからといって何か形にしたくても、自分にはその技術がない。ということでした。
衣服づくりは何故難しく、コストがかかり、材料の無駄が多くゴミがたくさん出るのか?
どうしたらそのサイクルから抜け出せるのか?
先入観のない素人だからこそ、ゼロから再定義できるかもしれない。
そんな素朴な疑問を出発点に、アプローチから探ってみるべくまずは自分たちで手を動かしてみることにしました。
まずはミシンに慣れることから
「裁縫のスキルは小学校の時の家庭科の授業でつくったエプロン」レベルの私。 まずはミシンの基礎を学ぶべく、ロックミシンもあるVIVISTOP NITOBEにお邪魔し、CLOTHES PROJECTでご一緒したデザイナーの小池優子さんにお願いして優子さんおすすめのトレーナーをつくってみる事としました。
まず最初に優子さんが用意してくれた布にアイロンをかけ、
用意して頂いた型紙を元に布をカット。
その後ロックミシンで布端の処理をし、洋服を縫い合わせました。
最後に手縫いでしか出来ない部分の処理をし、
ついにトレーナーが完成しました。
(完成品の写真を撮り忘れ完成間近の写真です...。)
半日の作業でしたがこの時感じたのは、洋服作りの多くは端の処理が必要(重要)で、そこに非常に時間がかかるという事、また一つ一つの工程が非常に計算されているという事が分かりました。(ロックミシンは端の処理と縫うことが同時に出来るので非常に便利でした。)
ちなみにVIVISTOP NITOBEは、平日は学校の施設として活用されていますが、会員登録をしたメンバーなら誰でも利用可能な OPEN DAYを不定期に開催しています。 興味のある方はぜひ覗いてみてください。(参加には予約が必要です。)
洋服以外をつくってみる
次に、下北沢のシモキタFABコーサク室にてオリジナル帽子作りワークショップに参加しました。
ここでは服飾の専門学校に通うクリエイターのなづさんを講師に、まず帽子や素材、デザインについて学び、その後実際につくりながらミシンなど道具の使い方、布地や素材の扱いを習得していきました。 ちなみに、なづさんはVIVITAのインターンとして「CLOTHES PROJECT」にも参加しています。
この活動では、途中コロナの影響もありオンラインでの作業もおこないました。
帽子づくりは非常に奥が深く、帽子自体の種類が非常に多かったり、使う糸や素材一つ一つで全然イメージが変わったりと非常に勉強になりました。 縫製自体は結構難しいものでしたが、オンラインでも出来るんだという事、基本の帽子を作る事で縫製の基礎を学ぶ事ができました。
試しに一人で一着つくってみる
最後に、今現在活動中のプロジェクト「POLYGON PROJECT」の紹介です。素材をまっすぐ切ってまっすぐ縫うという制約のもと、衣服づくりの実験をおこないます。
洋服の生地の裁ち方は無駄になる部分が多く、また、
曲線ばかりで縫うのが難しい。
一方で和装の裁ち方には無駄がない。そんな和装の裁ち方を参考に、衣服づくりをあらためて考え試行錯誤していきます。
とりあえずまずは一着つくってみたいなと思い、帽子づくりの師匠でもあり、当時VIVITAのインターンをしていたなづさんにアドバイスをもらいながら洋服のデザインを考えてつくってみました。
つくりとしては非常にシンプルで、端の処理をした後に、2枚の布を縫い合わせました。
ちなみに使用した素材はクロップオザキ*1さんより提供いただいた廃棄予定だった生地です。
最後に裏の部分をリサイクル材のボタンで装飾し、夏仕様の服をどうにか一人で完成させる事が出来ました。
今後の野望
つくっている間にも、次々と課題がみえてきてまだまだ修行中の身ではあるものの、いずれはワークショップを開催したいと思っています。 材料を無駄にしない服づくりをモットーに、ぜひ皆さん一緒に探究しましょう!
*1:株式会社クロップオザキ:アパレルやファッションビジネスをされる方々を、資材調達やOEM生産でサポートする専門商社。リサイクル素材の無償提供活動「ASU-KACHIプロジェクト」や、品川女子学院で特別講義を提供するなど、アパレル・ファッション資材を通じ未来を創る社会貢献活動を展開されています