こんにちは、VIVIWARE株式会社の嶋田です。
先日、聖学院高等学校でのGIC(Global Innovation Class) の特別授業「古典x最新」に参加し、「最新=テクノロジー」を実現するツールとしてVIVIWARE Cellの提供と作品制作のサポートをおこないました。
今回の授業はGICの4つの独自科目のうちのひとつSTEAM(デザイン)の枠組で行われており、STEAMの最終アウトプットとしては「五感を感じる風景」をテーマに創作活動をしていきます。今回はその前段階に位置する活動となります。
さて、「最新=テクノロジー」とは一体どんな授業だったのか、実際にサポートに参加した私がレポートします!
授業のテーマ 「古典 x 最新」とは?
現代はいろいろなモノに溢れ便利な世の中ですが、それらは昔であれば考えられないような最新テクノロジーが盛り込まれたモノばかりです。 ここでいう「モノ」は物理的なものだけではなく、サービスであったり無形のものを含みます。 しかし「最新のモノ」であってもその本質的な価値を突き詰めていくと、実は昔から何も変わらなかったりします。
そこで何かひとつ「古典的なモノ」をテーマにとり、その本質的な価値を探求し、それを現在の「テクノロジー(最新)」で作り変えてみるとどうなるのか? というのが今回の授業のテーマです。
この授業のポイントは主に以下の3つです。
- 古典を学ぶ(=本質的価値を知る)ことの意義を認識する
- 本質的価値を探求する力を育む
- 自分で考えたことを表現(プロトタイピングやプレゼンテーション)し伝える
これはなかなか、いわゆる「普通の学校」で経験できるものではありません。社会人としてようやく経験できるようなものなので、こうしたテーマに取り組んでいる学校があるというだけでも非常に驚きですし、それを早いうちから経験できるのは実にうらやましい限りです。
授業の進め方
- 1回目:(1コマ)古典とは?
- 2回目:(2コマ)VIVIWAREとは?
- 3回目:(1コマ)古典について考える
- 4回目:(1コマ)何を作るか考える
- 5回目:(2コマ)製作①
- 6回目:(2コマ)製作②
- 7回目:発表会@University of Creativity
1コマ=50分
今回は3人1グループで全10グループの活動でした。 私が参加したのは主に制作にかかわる2回目、5回目、6回目と最後の7回目ですので、それらの回にについてもう少し詳しくご紹介します。
2回目:VIVIWAREとは?
2コマの前半の1コマをいただき、今回表現するためのツールとして使ってもらうVIVIWARE Cellについて私から説明をしました。
(VIVIWAREを使った活動の紹介)
(VIVIWARE社エンジニアによる古典xVIVIWAREのプロトタイプを紹介)
(VIVIWARE Celを実際に触って体験してみる)
後半の1コマは、どんなことができそうか?アイデアをより深めたりイメージしていくためにVIVIWARE Cellを自由に触ってもらいました。
5回目:製作①
3回目4回目を通してそれぞれのグループが選んだテーマの本質(価値)を深堀りしてきています。 製作の時間とはいえいきなり手が動くわけではなく、この段階ではテーマが決まり、本質(価値)を見出すところまででしたので、実際にその本質(価値)を残してどう作りかえるか?(何を作るか?)からスタートとなります。
(各グループがディスカッション)
ここは今回の一連のプロセスのなかでも難しいポイントだと思っています。 というのは、実際に「やりたいこと」と「現実としてやれること(技術的、時間的問題)」を天秤にかけながら何を作るかを考える必要があり、なおかつグループの中でその折り合いをつける必要があるからです(社会人でもこの作業を精度高くできるひとは極々少数だと思います)。
ということで、この日に製作にとりかかれたグループは少なかったと記憶しています。
6回目:製作②
2回目から手を動かすグループがどんどん増えてきました。 切った貼ったラフに作ってどんどんとトライ&エラーを繰り返すのがプロトタピングです。
ここで私が面白かったのは、水をテーマに扱っているグループがあり、実際に水を流す作品を作ろうとしていたことです。 彼らはその作品作りのために、実際に水を流すテストをして盛大に失敗していました(机がびちゃびちゃ)。
エンジニアの私からすれば水を扱う作品を作るのは非常に難易度が高くハナから諦めて別の方法を考えるのですが、失敗すると決めつけることなくトライしてみる姿勢(もしかしたら本人たちはうまくいくと思っていた可能性も少しありますが・・・)をみて、効率重視な世界に染まってしまった自分の態度を少し反省しました。
(失敗から得られるものは多い)
この日が製作としては最終回だったのですが、時間が足りないということで、放課後などを使い発表会の前日ぎりぎりまでみんなが作業をしていました。
7回目:発表会
最後の発表会は、同じテーマで取り組んでいた「かえつ有明高等学校」と合同で、University of Creativityという場所でおこなわれました。 発表は、発表者と発表を聞く側に分かれ、発表者はあらかじめ決められた島でプレゼンをし、発表を聞く側は複数ある島を巡回していく形式です。
(新しいお守りのカタチ)
(天国と地獄を表現)
(日本の固有の食文化である回転ずしをアップデート)
授業の途中は本当に間に合うのか?とハラハラしていましたが、皆きちんとプレゼン資料も用意し堂々と発表していて一安心でした。
さいごに
学校の授業の中で「正解がないことに取り組む」というのは、まだまだ一般的ではなく(学校は結果を使って個人評価することが多いため)、 今回こうした先進的な活動のなかでVIVIWAREを取り入れてくださった聖学院の山本先生と佐藤先生のお二人には感謝しかありません。
私としても、新しい授業の形をもっと広げていくために「何が足りず何が必要か」を知るとても良い機会となりました。
まだまだ手探り状態で色々と反省点も多いのですが、授業に参加していた生徒たちが途中で投げ出すことなく自主的に放課後などの時間を使い最後まで頑張っていたことがとても印象的でした。
ここで終わるのは非常にもったいないので、また何かしらの形でこの活動を継続できればと思っています。
(発表会後の集合写真)