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史上最大規模!VIVITA ROBOCON BAGUIOレポート

こんにちは、かっしーと申します。 去る2023年11月11日〜12日の2日間、フィリピンにおいて日本国外では初めてとなるVIVITA ROBOCON「VIVITA ROBOCON BAGUIO 2023」が開催されました。僕も運営手伝いと同時に参加者として同大会に参戦して参りましたので、レポートをお届けしたいと思います。

VIVISTOP BAGUIO(バギオ)とは

バギオはフィリピンのルソン島(首都マニラと同じ島)の北部にある都市です。バギオは山の上の都市であり、フィリピン=暑いのイメージに反して年中冷涼な気候です。僕は8月に最初に訪れたのですが、絶対どちゃくそ暑いだろうと思って薄着しか持っていかなかったら、寒くてかなり後悔しました。(ただの下調べ不足です)

標高が高く、雲が近いです

バギオは近くに国際空港がなく、日本から行く場合はクラーク国際空港に飛び、そこから車で約3〜4時間ほどの行程となります(またはマニラのニノイ・アキノ国際空港から車で5〜6時間の距離になります)。

VIVISTOP BAGUIOはバギオの中心市街地のほど近くに新設されたVIVISTOPです。

広さはVIVISTOP HAKATAと同じくらいでしょうか。中には他のVIVISTOP同様、多種多様な工作用機械に加え、キッチンもあり、お菓子を作っているVIVINAUTもいます。 扉のすぐ向こうにカフェがあり、コーヒーが飲みたくなったらすぐに注文することができます。カフェイン中毒寸前の僕には大変居心地の良い場所です(笑)。

VIVITA ROBOCON BAGUIO

VIVITA ROBOCONは、日本国内のVIVISTOP他では毎年実施していますが、国外での開催は初となります。VIVISTOP BAGUIOのメンバーが主催となってくれましたが、彼らはVIVITA ROBOCONのポリシーを完璧に理解しており、誰もが楽しめる大会を企画してくれました。ルールは2023年の東京大会をほぼ踏襲したものとなり、二人一組で工事現場を模したステージでボールと缶を扱う競技となりました。

8月に企画準備のお手伝いに行きましたが、そのときに現地クルーから「初めての大会なので、かっしーも出場してバギオの子にエンジニアの凄さを見せてつけてくれよ」と言われました(英語なので本気なのか社交辞令なのか分からないですが)。「遠慮せず僕(かっしー)が優勝しちゃってもいいの?」と聞き返したら「モチロン!HAHAHA!」と言われたので、その条件で選手としても出場することを約束しました。

BAGUIOクルーはロボコン参加者募集のため、「ROBO RUMBALL」というVIVIWAREを使ったミニイベントを企画してくれました。このRUMBALLは、一日でロボットの制作体験からボールを運ぶ競技体験までできるよくできたイベントで、これをVIVISTOP内外でたくさん実施して参加者を募っていました。結果として多数の参加者が集まり、イベントが2日間に及ぶことになりました。

VIVISTOP NITOBEのOBとチーム結成!ロボット製作開始!

さて、参戦することを現地クルーと約束しましたが、当大会はタッグ制。相方が必要です。 社員やクルーに声をかけることも考えましたが、思い切ってVIVISTOPのキッズ(VIVINAUT)に声を掛けました。VIVISTOP NITOBE OBのアッシー君です。

彼はVIVITA ROBOCONに複数回出場しており、ロボット製作の技術、情熱、集中力すべて申し分なく、高校生で精神的にも成熟しており、今回のパートナーに適任と考えました。本人及びご家族の快諾もあって無事にパートナーとなってもらえました。VIVINAUT を海外VIVISTOPに連れて行く初めての事例になったかもしれません。

制作拠点は諸事情によりシモキタFABコーサク室をお借りすることとしました。機材が揃っているのはもちろん、コーサク室に通うクリエイターたちに助言をもらえたり、足りない部品があったときに管理人の高橋さんが車で運んでくれたりと、大変なサポートをしていただきました。この場をお借りしてお礼を申し上げます。

さて、自分の作るロボットは現地の人たちに強烈に印象に残るものでなくてはなりません。どうしたものかと逡巡していましたが、アッシーは最近は和紙づくりにもハマっているとのことで、ある日作っている和紙を見せてくれました。その瞬間にひらめきが降ってきまして、アッシーの和紙を使った「張り子の富士山」にしようと決めました。ただの富士山では面白くないので、念願の変形機構を内蔵し、「一見ただの富士山が競技中に変形して見る人の度肝を抜く」というのを目指しました。

かっしーのロボの詳細はこちら

ちなみに渡航前日の夜間、ギリギリまで制作作業をおこなっていました。コーサク室の高橋さんに「明日出発するんでしょ?大丈夫なの?」と言われる有様です(笑)。

しかしその甲斐もあり、アッシーも紆余曲折ありながらもきっちりとトンデモギミックを備えた大型ロボットを完成させました。

これはもう、現地の初参加の子らには申し訳ないけど優勝はいただいたも当然でしょう。フィリピンの子らよ、恨むなら優勝していいよと快諾したバギオのクルーを恨んでくれよ(笑)。

勝利の法則は決まった!!

バギオ到着。ロボコン前夜

ロボコン3日前にアッシーとともにフィリピンに渡航しました。 バギオにはVIVISTOP BAGUIOのクルーだけでなく、リトアニアからVIVISTOP Uzupisのメンバー、シンガポールからVIVISTOP Singaporeのメンバー、さらに金沢の大野さんらも集まっており、本イベントの注目の高さが伺えます。

ロボコン直前のVIVISTOP BAGUIOは参加者が最後の追い込みをしており、いつもの国内のVIVITA ROBOCON直前と全く同じ緊張感が流れます。個人的にこの緊張感ある前夜の空気が好きだったりします。

いよいよロボコン開始。大学生もたくさん!!

いよいよロボコン当日です。会場はBRENT INTERNATIONAL SCHOOLの体育館です。同学校の全面協力と、地元のイベント会社との密接な連携もあり、内装も演出も大変力が入っており、圧倒的なスケール感でセンセーショナル。 さらにはマイクをもつVIVISTOP BAGUIO代表のGabeはMCのプロ(実際に過去にプロレスなどの競技の実況をしていたこともある模様)であり、会場に入った瞬間に感じる「お祭り」「大イベント」感は今までのVIVITA ROBOCONにも無いものでした。

ちなみに開会時閉会時に挨拶する機会を頂戴しましたが、Gabeが凄すぎて対比と緊張でガッチガチになってました...申し訳ありません...

当ロボコンは16歳以下と16歳以上とで部門が分かれており、16歳以上部門には地元の工業系大学生が多数参戦してくれました。彼らはVIVIWAREを使わずとも自力でロボットを作れるだけの技術力を有しており、かつこれまで地域にロボットコンテストがなかったためか、技術をカタチにしたり披露する機会に飢えている感じがひしひしと伝わってきました。それ故、彼らのロボットは我々日本チームをも超えるトンデモロボ揃いであり、ロボットに対する執着や愛情も凄まじく、技術について質問すると喜々として語ってくれました。忘れていたけどバギオは大学がたくさんある地区でもあるんですよね...。

実際に彼らはロボコンへの対策も実に入念におこなっており、事前に完璧にオペレーションを組んでいるようでした。初めてのロボコンなのに40点を超える高得点チームも続出します。とんでもないハイレベルな大会です。

ちなみに僕ら日本チーム「DARKNESS SAMURAI」は4点でした...(さらにいうとその4点はすべて相方のアッシーが獲得してくれたもので僕は獲得0点でした...)。 ショックすぎてしばらくその場で塞ぎ込んでしまい、大会の進行を少し止めてしまいました。本当に申し訳ありませんでした... 。

敗因の反省点はいろいろありますが、事前の練習不足とトラブル時の対応力不足が挙げられます。特に海外参戦のときは部品の故障に備えて予備のパーツをもっと持っていくべきでした。思わぬパーツが壊れ、かつ現地では代替品入手不可能という状況に陥りました。

ちなみに優勝の座はチーム「CPE」が獲得しました。大学生チームですが、VIVIWAREを一切使わないチームもたくさんひしめく中で優勝チームのCPEはVIVIWAREをフル活用したロボットによるハイスピードな作戦展開が特徴のチームでした。技術力十分の大学生たちにあっても、VIVIWAREはなお有用性があることが示せたような気がして少しうれしかったです。

終わりに

VIVITA ROBOCON BAGUIOは、この地域で初めてのロボコンでしたが、大成功に終わったと思います。特に演出面と規模面では日本のこれまでの大会をも凌駕するものでした。VIVITA ROBOCONがここまでの大規模な大会に育ったことに感慨深さを感じます。

VIVISTOP BAGUIOのクルーの皆様、本当にありがとうございました。 そして最高のパートナーを努めてくれたアッシー、2ヶ月間本当にありがとうございました。

p.s.
VIVISTOP BAGUIOが素敵なダイジェストムービーを作ってくれました!ぜひご覧ください!