VIVITABLOG

VIVITAで活躍するメンバーの情報発信サイト

超図書館総合研究所で「超創造総合研究所」はじめました ー ”つくる”を捉え直すワークショップとは

石川県能登地方を震源とする地震により被害を受けられた皆さまに、心よりお見舞い申し上げます。
皆さまのご安全と、被災地の一日も早い復旧をお祈り申し上げます。

こんにちは。VIVITAクルーのさかいです。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

本日は昨年末より始まった、「超図書館総合研究所(株式会社図書館総合研究所)」との新しい取り組みについてご紹介します!

超研×VIVITA×VIVIWAREの共創プロジェクト始動

2023年12月、VIVITA JAPAN株式会社とVIVIWARE株式会社は、株式会社図書館総合研究所とモノづくりによる図書館のあたらしい社会価値の創出を目指して、パートナーシップを締結いたしました。
今後、東京都文京区の「超図書館総合研究所」を拠点に、「図書館×モノづくり」を軸にした多世代にわたる市民参加型の共創プロジェクトを展開してまいります。

prtimes.jp

あたらしい図書館のありかたとは

人々のつながりが希薄になりつつある現代社会において、図書館に求められる役割が多層化しています。日本の「図書館法」による「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設」であることはもちろん、パブリックスペースとして「地域連携の場」「まちづくりの拠点」になっていくことが期待されています。

まちづくりにつながる図書館づくりを手掛け、図書館のあたらしい役割と可能性を切り拓く図書館総合研究所、人間らしく自由に生きていくためのアートやテクノロジーを活用し、Conviviality(自律共生)のためのグローバルコミュニティを構築するVIVITA JAPAN、「つくる」ことを通して誰もが「世界は変えられる」と実感できる社会の実現を目指し、空想をかたちにするプロトタイピングツールVIVIWAREの開発・提供をおこなうVIVIWAREがそれぞれの知見を持ち寄り、モノづくりによる図書館のあたらしい社会価値の創出を目指してパートナーシップを組むことにいたしました。

環境づくり、人づくり、コトづくり

図書館で受け取ったひらめきやアイデアをモノづくりで具体化すれば、それを触媒にして、自分の内面に広がる無限の宇宙が他の誰かとつながっていきます。それは思いもよらない化学反応を起こしながら連鎖と増幅を繰り返し、世の中を変えるインパクトとなって世界の果てまで辿り着くかもしれません。

自分たちの手につくる力を取り戻すことは、自分たちの手で未来を変えていくことに結びつくと私たちは考えています。図書館がひとりひとりの好奇心に基づく飽くなき探究と創造の出発点となり、多世代が出会い交流するサードプレイスとなり、みんなの手でワクワクする未来を実現していくための基盤となるよう、3社で協力し「あたらしい図書館のありかた」を目指して、環境づくり、人づくり、コトづくりに取り組みます。

超創造総合研究所、はじまる

ちょっと堅苦しい前置きになりましたが、図書館総合研究所の親会社である「株式会社図書館流通センター(TRC)」のみなさんを巻き込んで、この取り組みの輪を全国の図書館に広げていきたい!ということで、総研のみなさんとVIVIWAREの嶋田さんと山内さんが中心となり、『超創造総合研究所』(通称:超創研)が発足しました。

これから複数回に渡り、いろいろな機材の使い方や活用方法を実践の中で感じてもらうためのワークショップを実施していきます。その初回として、VIVISTOP NITOBEのチーフクルーでもある山内さんのファシリテーションで ”つくる”を捉え直すための「Creative Unlearn」のワークショップが開催されました。

山内さんによると、超研で機材をつかう前提をつくる意識合わせのようなもの、とのこと。人は成長とともに「つくる」行為のハードルが高くなっていきがちです。それは最初から結果に完璧さや正解を求めてしまうからでしょう。「つくる」はもっと身近なもので、「つくる」行為そのものに価値があると実感してもらいたい、という思いでこのワークショップを企画したそうです。

  • 最近、何をつくりましたか?
  • 最近の「あ!いいこと考えた!!」をおしえてください

などの問いかけに対するグループセッションを挟みつつ、みんなで3つのワークに取り組んで、「”つくる”ってなんだろう?」ということを考えていきました。
ここから、当日の会場の様子を写真で振り返りたいと思います。

よーく見て、みんなで、つくる(描く)

最初のワークは、各自ペンを持って移動しながら、目の前にいる人の似顔絵を少しずつ描いていくというもの。

モデルとなるグループの立ち位置は固定で、描き手が回転寿司のように移動していきます。

進むにつれ描くところがなくなっていくのですが、それでもモデルをよく観察して、何とか描き足せるところを探す努力をします。

みんなで少しずつ描いたのに、完成したものはいずれもモデル本人に似ていました。
初めて顔を合わせる人も少なくなかったはずなのに、みんなの観察眼による集合知のようなものでしょうか。なんとも不思議で面白い体験でした。

新聞紙から さがす 語る

ふたつめのワークは、「新聞紙」から「オノマトペ(擬音語・擬態語)」を探して、それを表現します。

グループで話し合い、「新聞紙」から生まれるオノマトペを書き出します。
さわったり、ちぎったり、丸めたりしながら、音探し。30個以上見つけたグループもありました。

そして発見したオノマトペを、実際に新聞紙で表現して他の人に体験してもらいます。

造形的なものであったり、概念的なものであったり。
なるほど、そういう考え方もあるのか!という例。

人の話をきちんと聞いてないとこうなります(著者作)。
しかし表現は自由。

光らせて、カタチを見て、おもいつきを、語る。

最後のワークは、紙とスマホのライトで影をつくり、それを写真や動画で撮影して作品にします。

ゆらゆらとうごめく動的なものだったり、光を透過させてあらわれる色彩を楽しむものであったり、対話と試行錯誤でさまざまな表現が生まれていきます。

さいごに

今回のワークはすべて、個人ではなくグループで取り組むものでした。つくる行為は基本的に自己対話ですが、誰かと共に創るとコミュニケーションが生まれ、相互理解ができます。そのことを実感をもって体験できる時間でした。

同じグループだった方とお話したら、「思っていた内容とは違ったけれど、正解がないワークショップでとても楽しかった」とおっしゃっていました。

その他、アンケートで寄せられた感想を一部抜粋してご紹介します。

  • 機器の使い方を知るだけ、機器の紹介を聞く(見る)だけではなく、それ以前に「モノを作る」「触る」「知る」ことを通してコミュニケーションをとり繋がりを作っていくこと、「場」をつくる・「場」ができること。モノは人と人をつなぐきっかけになるという場面を間近で見て体験することができたのは、とても面白く、勉強になりました。ただ単に「機械の動かし方を知ろう」というだけでは得られないものと思います。

  • 複数人で一枚の絵を完成させる、影を使って何かを作るなど、想像力、発想力などを大人になってからあまり使うことがなかった部分を使うことができました。また、初めて会う方が多かったのに気が付くと普通にお話することができていることにも驚きました。

  • 今回の研修に参加させていただいて最もよかった点は、他自治体の図書館の方や本社の方々とワークショップを通して和気あいあいとした雰囲気でコミュニケーションを取ることができた点です。ただ楽しく参加させていただいていたため、はじめは研修に参加して「楽しかった」という感想でよいのだろうかとも考えましたが、講師の方がおっしゃっていたように後々の「いいこと考えた!」に繋がると考えると「楽しい」という感想を持てることはもしかしたら一番大事なことなのではないかと思いました。

無駄で、くだらない。
そんな”つくる”もあっていい。

山内さんからのメッセージ、参加者のみなさんにも届いたのではないでしょうか。

次回以降は 3Dプリンターやレーザーカッター、VIVIWARE Cellなどのツールを使いながら、実際に手を動かしていくそうです。 これから参加者のみなさんがどう変化していくのか、楽しみですね!

超図書館総合研究所によるレポートはこちら https://note.com/kataru_lib/n/n0ee0fe9b854b